2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16J10941
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
長谷川 拓 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 進化型計算 / 適応度景観 / 劣個体分布 / 遺伝的プログラミング / CMA-ES / DII-Analysis |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の初めは研究計画通り,劣個体数分布の推定手法について解析実験をし,改良の余地を検討した.その結果,分布推定のモデルを拡張することにより,推定コストを削減することが可能な手法へと改良した. さらに,実問題への適用のために,実数値最適化のための手法,CMA-ESにRSE モデルを導入し適応度景観を予測し,適応度評価にコストがかかる問題に対して最適化コストを抑える手法を提案した.さらに,実数値空間において,入力変数のスケーリングがSVMの推定精度に大きく影響を与えることが明らかとなり,これを解決するために,探索状況に合わせたスケーリング手法を提案した. 本年度後半では,構造最適化等のより幅広い最適化問題へのアプローチとして,遺伝的プログラミング (Genetic Programming: GP) の新しい手法の開発に着手した.結果,進化型計算における重要な課題の一つである,有望な部分解の保存とそれらの部分解の効率的な組合せを実現し,ユーザーが設定する可調整パラメータの削減の問題を解決する手法としてMLPS-GP を提案した.まず初めに,GP の研究分野でよく用いられるBoolean 問題に対して,その有用性を示した. その他に,進化型計算の実問題への応用として,進化型計算を用いた音楽の自動生成システムの開発に参加し,主に進化型計算によるメロディの探索とユーザーの評価推定に取組み,このシステムを提案した. また,deep learning のハイパーパラメータサーチに進化型計算を導入する研究にも従事し,これを用いた絵本システムを提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は劣個体分布に基づく手法の改良, 実数値問題における適応度景観推定手法の提案,遺伝的プログラミングの拡張手法の提案の3種について十分な検討ができた.特に劣個体分布の研究,適応度景観推定手法の研究においては国際学会で発表し,賞を受賞するなど十分に国際的な活動もできた.
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Strategy for Future Research Activity |
劣個体数分布に関する研究では,今年度の研究成果より推定精度と推定コストのトレードオフの問題が明らかとなったため,これを制御する手法を検討する.またRSE モデルを導入したCMA-ESでは,探索状況に合わせた実評価する解の選択方法が重要であることが明らかになり,制御する手法を検討する. MLPS-GPの研究では,提案手法の各種応用について引き続き検討していく. さらに,新たな試みとして,これらの提案した進化型計算の応用として,近年注目されている深層学習との癒合などについても積極的に検討する予定である.またジャーナルを中心に成果を公表していくことにも重点を置く.
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