2016 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマー/TiO2ハイブリッド型フォトニック結晶を用いた高感度バイオセンサー開発
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16J11207
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
安藝 翔馬 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | フォトニック結晶 / バイオセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度では下記の項目を実施した。 ① ナノインプリント類似の手法でポリマー/TiO2ハイブリッド型2D-PhC作製方法の開発を行った。ポリビニルアルコール製犠牲モールドを用いた光ナノインプリントにより光硬化樹脂性レジストパターンを作製し、チタニウムアルコキシド溶液を充填・焼成することでTiO2ドットアレイを作製する方法の開発をおこなった。その後、ポリマー材料を充填することによりポリマー/TiO2ハイブリッド型2D-PhCとした。作製したポリマー/TiO2ハイブリッド型2D-PhCの構造評価・観察用として金属顕微鏡を導入した。作製方法の開発及び、基礎的な特性評価の結果を第76回分析化学討論会にて報告を行った。
② 作製した2D-PhCを用い、センサー応用のモデル系としてK+センサーを選択し、高感度化の倍率、応答時間や選択性等センサーとしての基本的な特性を評価した。作製したセンサは、従来のセンサと比較し約7倍高感度化を達成した。また、Na+、Ca+の同時検出も達成した。その際に、消耗品としてピンセット・マイクロピペットを追加購入し、使用した。センサー応用の結果を第77回応用物理学会 秋季学術講演会、応用物理学会関西支部平成28年度第2回講演会、The 4th TKU-OPU Joint Symposiumにて報告を行った。また、The 4th TKU-OPU Joint SymposiumにてThe First Place Awardを受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度では、目標としていたポリマー/TiO2ハイブリッド型2D-PhCの作製方法開発を達成し、学会での報告を複数回行うことができた。 また、初歩的なセンサー応用も達成し、K+、Na+、Ca2+といった種々のマルチイオンセンシングも達成、報告を行っている。 したがって基礎的な作製技術、センサ原理の確認を達成できたと判断でき、平成29年度では更なる応用へと着手可能であり、概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
更なる高感度センサ開発のため、作製するフォトニック結晶中に光制御のための欠陥を導入する。これまでは、基礎的な原理の確認として面内での光蛍光の垂直方向への制御のみを取り扱ってきたが、今後は更なる高度な光制御による高感度化に着手する予定である。 また、センサ応答原理としてこれまではバルク抽出のみを取り扱ってきたが、脂質二重層膜による細胞膜を模倣した材料による細胞内外への物質輸送の高感度センシングを着手予定である。
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