2018 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達におけるミトコンドリア動態の時空間的解析―自然免疫系を切り口として
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16J11221
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
出口 確 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 自然免疫 / 原子間力顕微鏡法 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究項目「ミトコンドリア動態変化のin vivo 時空間的解析」「ミトコンドリア―細胞小器官相互作用のin vivo 時空間的解析」については、当初、細胞内ミトコンドリアを高速液中原子間力顕微鏡により観察する計画であった。しかし、生きた細胞を細胞膜外からの走査で観察可能なミトコンドリアは限られ、解析が極めて困難であると、条件検討の過程で考えるに及んだ。本項目は、MDA5-IPS-1シグナル伝達系の、「後」であるミトコンドリアに着目し、その動態変化を把握することを目指すものだったが、細胞へのウイルス感染過程の初期焦点を当てることとした。具体的には、ウイルスが細胞への侵入に利用する宿主細胞側機構である、エンドサイトーシスを解析の対象とした。 エンドサイトーシス進行には、諸タンパク質因子に加え、アクチン骨格と膜張力が重要な役割を担うが、その関連の詳細は明らかになっていない。本研究では、ストレッチチャンバーを用いて細胞膜張力を変化させ、高速液中原子間力顕微鏡でクラスリン依存的エンドサイトーシス(CME)を解析した。 細胞の張力を亢進させた場合、開口時間が有意に長くなった。CMEは、200-300 nm の開口(U型)が、数秒-数十秒、100 nm程度の開口(Ω型)となる段階を経て、完全に閉じる段階に至ることが所属研究室の先行研究からわかっている。得られた結果を総合すると、U型からΩ型に遷移する過程は、膜張力依存的だと考えられる。U/Ω型に対応する段階の間には、エネルギー的不連続があるとのin silico の報告があり、膜張力はこの「不連続」を克服する鍵となる要素であると示唆される。現在、より高い時間分解能による観察で得たデータの解析と、この段階の膜変形の責任タンパク質の1つとされるdynaminをノックダウンした細胞の張力を変化させて観察する実験の追加データ取得に取り組んでいる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Cdk1-mediated DIAPH1 phosphorylation maintains metaphase cortical tension and inactivates the spindle assembly checkpoint at anaphase2019
Author(s)
Koutarou Nishimura, Yoshikazu Johmura, Katashi Deguchi, Zixian Jiang, Kazuhiko S. K. Uchida, Narumi Suzuki, Midori Shimada, Yoshie Chiba, Toru Hirota, Shige H. Yoshimura, Keiko Kono and Makoto Nakanishi
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 10
Pages: 981
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research