2016 Fiscal Year Annual Research Report
LEDを活用した骨格筋再建法の開発 ―『光』は骨格筋を変えるのか?―
Project/Area Number |
16J11257
|
Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
田村 優樹 日本体育大学, 総合スポーツ科学研究センター, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
|
Keywords | 骨格筋 / ミトコンドリア / LED |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋のミトコンドリアは、骨格筋のみならず全身の健康を司る細胞小器官である。この特徴 から骨格筋ミトコンドリアの機能を向上させる手段の開発は学術のみならず臨床においても高 い意義がある。培養細胞を対象とした基礎研究から着想を得て、本研究ではマウスの骨格筋ミ トコンドリアの機能を高める新たな手段として、赤色LEDの照射が有効であるか否かを明らか にすることを目指し検討を重ねてきた。今年度は、マウスを対象としたLED照射装置の開発を中心に検討を行った。複数のタイプのLED照射装置を試作を重ねた。検討項目は、照射強度および照射波長、照射時間等である。また、LED照射による発熱の影響がマウスの骨格筋に伝達しないことを確認するなど妥当性の検証も併せて実施した。現在までのところ、フォトダイオードを用いた測定結果から、5-20mWのLEDを15-30分照射することが好ましいと考えられる。また、当初の仮説に加えて、赤色光および近赤外光を採用することが妥当であることを示唆する結果が得られている。今後は、LED照射装置の完成度を高めることを最優先課題とする。その後、単回・頻回の介入実験を実施することで、実際にマウスの骨格筋に生理応答・代謝的適応が生じるか否かを検討する。具体的にはミトコンドリア生合成に関与する細胞内情報伝達経路および転写因子群が活性化するか否かを検討し、本研究の最終目標である「伸張性収縮に伴う骨格筋損傷への新規治療法の開発」に向けた基礎的知見を蓄積する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LED照射装置の開発は、本研究を遂行する上で最も重要な検討課題であった。今後、検証する仮説に応じて、照射パラメータを調整する余地はあるものの、LED照射装置の試作・妥当性検証に関して概ね予定通りに遂行された。
|
Strategy for Future Research Activity |
LED照射装置の完成度を高める。その後、単回・頻回の介入実験を実施することで、実際にマウスの骨格筋に生理応答・代謝的適応が生じるか否かを検討する。具体的にはミトコンドリア生合成に関与する細胞内情報伝達経路および転写因子群が活性化するか否かを検討し、本研究の最終目標である「伸張性収縮に伴う骨格筋損傷への新規治療法の開発」に向けた基礎的知見を蓄積する。必要に応じて、生体のみならず、培養細胞を対象とした実験系も動員し、あらゆる角度からLED照射による骨格筋適応を検討することで、より堅実な科学的根拠の獲得を目指す。
|