2016 Fiscal Year Annual Research Report
生体内通信による埋め込み型イメージセンサを用いた脳内撮像系の完全無線化
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16J11330
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
速水 一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | 埋め込み型センサ / CMOS回路 / 生体埋植イメージセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に設計したCMOSイメージセンサを用いて複数エリアを撮像する櫛型デバイスを試作した.使用したポリイミド製フレキシブル基板は取扱業者にオーダーメイドで製造依頼した.本デバイスでは,基板上の共通配線に接続したイメージセンサを外部制御によって任意に選択して出力を取り出すことに成功し,脳内埋植型撮像デバイスとして使用できることを示唆できた.また,試作・評価をとおして,いくつかの問題点を抽出し,新デバイスの設計に活用できた. また,前年度までに検討してきた埋め込み対象の体組織を媒体とする生体内通信について,複数駆動のデバイスでも同様に適用できるかを実験によって確認した.櫛型デバイスを用いて,生理食塩水中で送受信に使用する電極を露出させて,通信を試みた.実験結果から,回路上の仕様で通信が困難になる問題があると判明した.そのため,後述する新デバイス設計では,問題点を解決する回路構成を適用した.また,現状の回路構成で適用可能なほかの通信方式についても検討した.発光素子を集積実装し,センサ出力によって発光パターンを制御し,光によって信号を伝送する光通信方式について,専用デバイスを実装し,駆動回路を製作した. 上記のデバイス評価を通して,改善すべき点を抽出し,新規センサチップを設計した.無線給電用CMOSチップ試作で得た電源回路製作のノウハウを活かし,これまでのセンサチップに見られた動作の不安定さを解消した.また,複数チップのID設定用回路で採用してきた配線加工による機能切換をさらに拡張し,動作周波数や出力特性などのセンサ仕様に関しても,用途に応じて設定できるようにした.本センサを使用する新デバイスでは,動作の安定性向上や応用性の拡大が見込まれる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無線給電に関しては,設計仕様と実物の仕様がずれてしまったため,再設計が必要となったが,イメージセンサ自体は動作しており,デバイス試作に関してはおおむね順調といえる. センサ評価を通して浮かび上がった問題点を再設計により改修予定であるため,今後の計画もおおむね変更なく実行できると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
新しいCMOSチップが届き次第,評価と新規デバイス作成に取りかかる.それまでは,現状のデバイスで達成可能な目標に向けて,実験を進めつつ,実験系の構築や調整をしていく. また,無線給電技術の導入に関しても並行して開発に取り組む.
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Research Products
(6 results)