2018 Fiscal Year Annual Research Report
デザイン性錯体ナノ空間を利用した精密シークエンス制御高分子の創製
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16J11427
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
望月 秀人 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 多孔性金属錯体 / ビニル高分子 / 超薄膜体 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に[Ni(Hbtc)(bpy)]n (1; btc=1,3,5-benzenetricarboxylate, bpy=4,4'-bipyridine)をホストとし、その細孔内でビニルモノマーの架橋ラジカル重合を行うことで、単分子程度の膜厚をもったビニル高分子超薄膜体が作製できることを報告した。本年度はまず、本手法のスケール性を検証した。6.23 gの1を用いてスチレンの架橋重合(スチレン:架橋剤=99:1)を行ったところ、1.08 gのポリスチレン薄膜体(PSt-1)を得ることに成功し、グラムスケールでの合成が可能であることを立証した。この生成物の原子間力顕微鏡測定から、PSt-1が単分子程度の膜厚を有した超薄膜体であることが確認された。またPSt-1はトルエンやクロロホルムといった有機溶媒中で高い分散性を示した。トルエン中での静的光散乱測定からPSt-1の重量平均分子量(Mw)は298,000 g/mol、慣性半径は59.3 nmであった。これを同程度の分子量を持つ直鎖ポリスチレン(Mw=233,000 g/mol)の慣性半径(35.1 nm)と比較すると、約1.7倍大きい慣性半径を有することから、PSt-1はより大きな拡がりを持つ構造体であることが判明した。加えて、PSt-1は架橋構造を有するにも関わらず、ガラス転移点が直鎖状ポリスチレンのもの(105℃)よりも顕著に低下(95℃)した。つまりPSt-1中ではポリスチレン鎖の絡み合いが解消され、運動性が高く保たれていることが示唆された。さらに動的粘弾性測定において、PSt-1の貯蔵弾性率はガラス転移点以上の温度で減少を続け、150℃において直鎖状、三次元架橋ポリスチレンと比べて2桁低い貯蔵弾性率となり、固体様ではなく高い流動性を示すという興味深い熱的性質を発現した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)