2016 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の能動的な運動に関わる力学と生化学の連成メカニズムの解明
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16J11479
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武石 直樹 京都大学, 再生医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 浸潤 / 転移 / 接着 / がん細胞 / 白血球 / 計算バイオメカニクス / 医工学 / 計算科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,白血球の免疫応答やがん細胞の転移に共通して見られる組織内への浸潤現象がどのような力学的条件の下で成立するのかを明らかにする.本年度は,浸潤現象の数理モデル化の第一ステップとして,最新の実験力学に基づき基盤平面での細胞接着を数理モデル化し,浸潤をはじめとする細胞の能動的な運動を統一的に力学解析するためのプラットフォームの構築を行った.数理モデル化では,分子スケールのアクチン重合・脱重合を細胞スケールの膜の力学にボトムアップ的に導入することによって,連続体力学に基づく新たな細胞膜モデルの構築に成功した.構築した数理モデルを用いたシミュレーションでは,最先端の高速計算技術であるGPU計算を用い,インテグリンに代表される膜貫通型接着タンパクによって細胞膜が基盤平面上に伸展する様子を再現することに成功した.現在,in vitro実験で得られた細胞膜の特性に関する知見を基に,数理モデルの改良に取り組んでいる.既に高速計算手法の確立に成功しているため,今後,改良された数理モデルと実験データを比較することによって,モデル化の妥当性を検証する予定でいる.また,本研究に先立って取り組んでいた毛細血管内における細胞接着の研究は,本年度,1本の雑誌論文としてまとめ,これを米国の生理学系の雑誌にて発表した.さらに,本課題の関連研究として,微小循環系の微小粒子の流動に関する研究もまとめ,現在,同様の雑誌に投稿中である.本年度新たに開始した研究の基盤構築と,先行で取り組んでいた研究を2報投稿することができたことは,当初の期待以上に研究の進展を達成できたと考えている.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(6 results)