2017 Fiscal Year Annual Research Report
B型肝炎ウイルス感染の蛍光可視化モデルの樹立と肝炎免疫応答機構の探索
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16J11897
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
犬塚 義 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, ゲノム医科学プロジェクト, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 蛍光遺伝子発現 / Hydrodynamic injection |
Outline of Annual Research Achievements |
Nanoluc/HBV plasmid(Cancer Sci. 2015;106:1616-24)のNanolucを蛍光遺伝子に置き換えて蛍光遺伝子発現が確認されるか実験を始めた。蛍光遺伝子はTurbo-RFPを選択した。Nanoluc直後のHBVのうちpreS1遺伝子領域のpromoterより上流の100bp程度を削った。In-Fusion HD cloning kitを用いて制限酵素配列を排除して蛍光遺伝子挿入を行い、新たに蛍光遺伝子挿入HBV plasmid(Turbo-RFP HBV)を作成した。HepG2 細胞にplasmid をtransfectionさせると、Turbo-RFP では10-20%程度の細胞に蛍光発色がみられた。また、Turbo-RFP HBV発現細胞上清でHBs抗原、HBe抗原のELISA 測定法でHBV タンパクが確認された。そこで、このTurbo-RFP挿入HBV(以下、RFP-HBV)を用いて感染実験を行った。粒子形成させる方法として、RFP HBVのtransfection のみでは、HBV粒子形成に必要なタンパクを全ては補いきれないため、HBVのε構造配列に変異を2 か所挿入したHBV-⊿ε plasmidをco-transfectionさせることにより、HBV構造タンパクの供給を行った。14日間細胞培養し、7日間おきに上清を回収し、超遠心にて100 倍濃縮して感染実験を行ったが、感染粒子の形成は確認できなかった。次に、このplasmidを用いて、Hydrodynamic injectionをC57BL/6 mice に行ったところ、肝内に蛍光発色肝細胞の存在が確認された。なお、空ベクターを用いてHydrodynamic injection を行ったコントロールマウスと比較しても炎症細胞浸潤などは確認されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新しい感染実験系である蛍光遺伝子挿入HBVの作成に取り組んでいるが、HBV自体がもともと3215bpと非常にコンパクトであり、かつ環状不完全二重鎖という特殊な構造のため、修飾が難しいという点がある。マウス+ハイドロダイナミックインジェクション法では蛍光発現は見られるが、炎症反応は見られない。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい実験ツールの作成ということで、新規ウイルスの作成に取り組んでいるが、引き続き新規ウイルスの作成に取り組むとともに、新規実験ツールとしてのHBVに感染するimmunocompetentなマウスモデルについても現在検討中である。
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Research Products
(4 results)