2016 Fiscal Year Annual Research Report
植物由来シグナルを介した病原菌と共生菌の感染戦略の解明
Project/Area Number |
16J40044
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹本(田中) 愛子 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | 共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、根への人工接種かが可能なイネいもち病菌と共生菌である菌根菌との感染戦略の類似性に着目し、病原菌の根への感染機構の解析で得られた情報をもとに、これまでほとんど解析例のない菌根菌の感染機構を明らかにする。特に、病原菌と共生菌における植物由来シグナルの認識を介した植物組織侵入メカニズムを明らかにする。 イネOsRAM2変異体の作出 イネOsRAM2の機能解析には、先に当研究室にて作出したサイレンシング個体の使用を計画していたが、イネの遺伝子変異個体の作出に必要なCRISPR/Cas発現ベクターが入手可能になったことから、まず、CRISPR/Cas発現ベクターを用いたイネOsRAM2変異体の作出に取り組んだ。イネOsRAM2遺伝子配列20 bpを発現ベクターにクローニングし、イネカルスに形質転換した。ベクターの挿入されたハイグロマイシン耐性個体を滅菌土壌に移植し、出穂誘導条件に置き育成した。得られた5個体の葉の一部からPCRにより、変異部位を検出し、これらがOsRAM2遺伝子内に1塩基挿入の変異を有することを確認した。各個体から、菌根菌やイネいもち病菌の接種実験に必要な十分量の種子を得た。また、播種後、3日のイネ実生を滅菌土壌に移植し、同時に菌根菌胞子を接種した。4週間後、菌根菌感染根を水酸化カリウム処理による透明化後、DAB溶液を1時間処理した。染色された根を光学顕微鏡により観察し、感染率を計測した。イネOsRAM2変異体では、菌根菌の感染率の低下が観察され、OsRAM2が、イネにおける菌根菌の感染誘導に不可欠であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イネOsRAM2変異体の作出を完了した。感染率の測定に必須の染色法も改善することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
材料、および手法が調い、今後は接種実験を進め、微生物感染におけるOsRAM2の機能を明らかにしたい。
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[Journal Article] SymB and SymC, two membrane associated proteins, are required for Epichloe festucae hyphal cell-cell fusion and maintenance of a mutualistic interaction with Lolium perenne2017
Author(s)
Green K, Becker Y, Tanaka A, Takemoto D, Fitzsimons H, Seiler S, Lalucque H, Silar P, Scott B
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Journal Title
Molecular Microbiology
Volume: 103
Pages: 657-677
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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