2018 Fiscal Year Annual Research Report
海底泥火山の活動予測にむけた試み-南海トラフ近傍の泥火山活動位置規定要因を解く
Project/Area Number |
16J40210
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
浅田 美穂 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地震津波海域観測研究開発センター, 特別研究員(RPD)
|
Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
|
Keywords | 泥火山 / 南海トラフ / インプット |
Outline of Annual Research Achievements |
熊野海盆を含む南海トラフ沿いの海底に「泥火山」と呼ばれる丘状の地形的特徴が存在することは知られており、それを構成する物質についての調査と考察が進んでいたが、なぜ、どこに、どのような密度で分布するのかを理解するには至っていなかった。本研究では、最初に既存研究や関係者との対話を通して「日本の泥火山」の実像を理解し、次に海域における調査航海を実施して泥火山が未確認の領域を含めて改めて泥火山分布を探査して、その分布規定要因を観測事実と理論両面から詰めることを目指した。その結果、以下の結論を得た: 1.南海トラフには存在する泥火山の分布域は断続的である。泥火山は、熊野海盆平坦部と、日向灘から九州東部全域を含む種子島に至る海域に群発し、四国沖を含むこの二海域を繋ぐ海域には稀に少数が存在する。 2.熊野海盆と日向灘~種子島の二海域を特徴付ける地質学的条件が、日本の南海トラフに沿う泥火山活動の位置を規定している可能性が高い。これが海山の沈み込みである可能性を考える:熊野海盆には、フィリピン海プレート東縁の伊豆小笠原火山列から四国海盆内に断続的に見られる海山が、日向灘~種子島には九州-パラオ海嶺が沈み込む。これらがプレート境界面に持ち込まれる物質として特徴を持っている可能性が考えられる。 3.熊野海盆と日向灘~種子島海域に群発し、四国沖で少数が見られる南海トラフ沿いの泥火山の分布は、同海域で報告されているスロー地震の発生領域におよそ重複して見える。泥火山を構成する泥の生産現場に「水」が関わるとすれば、両者の分布領域のおおまかな重複には意味がある可能性がある。 つまり南海トラフの泥火山分布は、「流動化した泥を生産し、かつ貫入体を作るに十分な浮力を与えうる」地質の分布に規制されていると考えられる。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)