2017 Fiscal Year Annual Research Report
DNAポリメラーゼηとRAD18が関与する新たなチェックポイント機構の解析
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16J40244
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松尾(楠本) 理加 名古屋大学, 環境医学研究所, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2020-03-31
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Keywords | DNAポリメラーゼ・イータ / RAD18 / UV |
Outline of Annual Research Achievements |
紫外線感受性試験の結果からPolηのN末端領域がチェックポイントに関連すると考えている。また、Rad18との結合領域もN末端である。公表されているPolηの結晶構造解析の結果から、Rad18と結合しそうなアミノ酸を3つ推測した。このアミノ酸をアラニンに置換した polη[AAA]やpolη(1-511)[AAA]を精製し、Rad18との結合実験を行ったところ両者とも、変異を導入していないpolηに対して結合が60%に低下した。Polη欠損細胞は紫外線感受性を示すが、Polηを相補すると紫外線感受性は回復する。Polη[AAA]が紫外線感受性を回復できるかどうか調べるために、PolηノックアウトHeLa細胞において安定的にPolη[AAA]が発現する細胞株を作製した。紫外線感受性は一部しか回復できなかった。また、チェックポイント機構が機能しない状況では特に感受性が高かった。精製polη[AAA]タンパク質はDNAポリメラーゼ活性に欠損はなかった。 Rad18におけるDNAポリメラーゼη(polη)との結合領域はRad18(401-445)と報告されている。結合領域をさらに絞るため、Rad18(1-400)、Rad18(1-415)、Rad18(1-430)、Rad18(1-445)の欠失変異体を大腸菌で発現させ、精製した。これらの欠失変異体、及び全長Rad18を用いてpolηとの結合実験を行った。polηとの結合は全長Rad18に比べRad18(1-445)では低下し、それより短いRad18(1-430)、Rad18(1-415)、Rad18(1-400)の結合は検出できなかった。これらのことから、polηはRad18の445アミノ酸あたりで結合していると考えられる。445アミノ酸あたりには出芽酵母、カエル、ヒト、マウスで高度に保存されている領域がある。今後はこの領域に変異を導入したRad18点変異体を作成し、結合実験を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究が順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
Rad18以外にPolηのN末端領域で結合するタンパク質を探索する。また、Polη[AAA]安定発現細胞のUV照射後の細胞周期の進行や、主要なチェックポイント関連因子が活性化状態を検討する。
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