2017 Fiscal Year Research-status Report
ネットワーク構造を有する離散最適化問題に対する高性能アルゴリズムとその応用
Project/Area Number |
16K00001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石井 利昌 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (30324487)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 組合せ最適化 / アルゴリズム / ネットワーク設計 / グラフ理論 / 離散最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代社会において解決が求められる諸問題の中には, 通信網・交通網・電力網・VLSIなどネットワーク的構造を持つものが多くみられる.例えば, 地震・台風等による自然災害が多く発生する中,安定的なネットワーク制御・設計がより一層求められている.本研究では,ネットワーク制御・設計が求められる問題に対して,グラフを用いた離散最適化問題としてモデル化することで,問題が有する計算の複雑さの解析や効率的なアルゴリズムの開発を行うことを目的とする.さらに,その応用として,劣モジュラ構造のような離散構造を見出して手法を一般化することで,グラフ・ネットワーク問題にとどまらない一般の離散最適化問題への貢献を目指す. 今年度は,初年度に引き続き,ネットワーク構造の調査を行い,問題の計算困難性との関連について分析した.加えて,具体的にネットワーク構造を有するいくつかの最適化問題に対して,計算の複雑さの解析および効率的アルゴリズムの開発を行った.例えば,銀行間の決済を円滑に行うための最適な (決済) 順序を求める問題に対して,有向グラフを用いたモデル化を行い,問題のNP困難性や, 多項式時間で解けるためのいくつかの仮定を示した.また,初年度に引き続き,劣モジュラ構造や正モジュラ構造といったネットワーク問題に現れる重要な離散構造に関する調査を行った.その過程において,グラフの最小カット問題を一般化した離散最適化問題の一つである,正モジュラ関数最小化問題の計算の複雑さに関していくつかの結果を得た.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に引き続き,ネットワーク制御・設計に関する話題に対する調査を行いながら,具体的にネットワーク構造を有する問題に対して,計算の複雑さの解析および高性能アルゴリズムの開発を行った.また,劣モジュラ構造や正モジュラ構造に着目した問題の一般化についても着手している.これはほぼ交付申請書に記した流れに沿っている.
|
Strategy for Future Research Activity |
おおむね「研究計画・方法」の通りに進んでいるため,基本的にはその方針にしたがう.これまでの調査に基づき,引き続き効率的に解ける問題の離散構造の解析を行いながら,具体的に対象とする問題に対する高性能アルゴリズムの開発を行う.考案したアルゴリズムの性能を理論的に解析するだけでなく,実用上の性能を評価するため,計算機による実験を行う.また,グラフ・ネットワーク問題だけでなく,離散最適化問題としてより一般化された問題の理論研究を行う.
|
Research Products
(6 results)
-
-
[Journal Article] Posimodular function optimization2017
Author(s)
Magnus M. Halldorsson, Toshimasa Ishii,Kazuhisa Makino, Kenjiro Takazawa
-
Journal Title
Lecture Notes in Computer Science, Algorithms and Data Structures
Volume: 10389
Pages: 437-448
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-