2021 Fiscal Year Research-status Report
Geometric Algebraを核とする折紙計算論の展開
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16K00008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
井田 哲雄 筑波大学, システム情報系(名誉教授), 名誉教授 (70100047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Ghourabi Fadoua お茶の水女子大学, 理学部, 学部教育研究協力員 (30709324) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 計算折紙 / geometric algebra / 折紙プログラミング / 折紙幾何学 / 計算幾何学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)本研究でこれまでに開発を進め,計算折紙研究の推進に活用してきたGeometric Algebra実装ステムを継続して改良した.その結果.計算折紙システムEos(E-Origami System)との結合が,概念的にも,実用上にも,より明瞭になった.主な改良点は,(a) 両者が用いる基本データ構造を共通化したこと,(b) Eosのプログラミング言語Orikotoで,直接にGeometric Algebraのベクトルを操作可能としたことである.なお,Geometric Algebraのモジュールの旧バージョンはソースコードを含めて公開している.新バージョンも,令和4年度内に公開する予定である. (2)計算折紙に,バーチャルな(折れ線に沿った)カットと,カットで分離されたエッジを再接合する考え方を導入した.これにより,中割折り,外割折り,つぶし折りといった伝統的な折り方が折紙の基本折りであるHuzita-Justinの折り方の組み合わせで実現できることを示した.この折り方の理論的基礎付けと,コンピュータでの実現方法をまとめ,国際会議ADG 2021で発表した. (3)Eosシステムの計算モデルを再構成し,概説する{招待講演)と,Eosシステムの使い方のチュートリアルを国際会議SYNASC 2021で行った.なお,ADG2021とSYNASC2021は主催地(各々,オーストリアとルーマニア)で実地の集会を持つ予定であったが,コロナ禍により,オンライン会議として開催された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により,研究コミュニティでの研究成果に関する議論が思うようには進まないが,当研究自体は着実に進んでいる.計画当初には着想されていなかった新しいアイデアも付け加えられた.また,Springer社より,「An introduction to Computational Origami」という研究モノグラフも出版した. Eosシステムの開発・改良も進んでいる.当研究プロジェクトのウェブサイトで公開したEosシステム(ソースコードは未公開)は800件以上のダウンロードが令和3年度末までにあり,当研究の研究成果への国際的な高い評価が得られつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
Eosシステムの開発をさらに進め,立体的な折紙とGeometric Algebraをベースにした計算折紙との比較研究を推進する.
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Causes of Carryover |
国際会議の出席を予定しており,その旅費と参加費の一部に研究費を充てる計画であったが,現地会議が開催されず,すべてオンライン会議になったため.
次年度についても,会議の現地実施が行われるか見通せないため,ソフトウェアの開発にかかわる諸費用や資料の購入に研究費を充てる予定としている
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Research Products
(3 results)