2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on designing assignment algorithms using stable matchings
| Project/Area Number |
16K00017
|
|---|
| Research Institution | Kyoto University |
|---|
Principal Investigator |
宮崎 修一 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (00303884)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | 安定マッチング / 希望リスト / NP困難性 / 計算複雑性 / 近似アルゴリズム / 例題生成 / 非交差マッチング |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
2つの異なるグループがあり、各メンバーが他方のグループのメンバーに対して選好順序を持っている際、それに基づいた「安定性」と呼ばれるマッチングを求める問題を安定マッチング問題という。本年度は以下の活動を行った。
(1) 希望リストに同順位や不完全性を含んだモデルは実用的であり、これまでに多くの研究がある。このモデルでは、最大サイズの安定マッチングを求める問題はNP困難（すなわち、最適解を求めることが困難）であることが知られているため、最適により近い解を求める近似アルゴリズムの研究が盛んに行われている。アルゴリズムの性能を実験的に評価する際に最適解と比較する必要があるが、例題をランダムに生成したのでは最適解を求めるところに時間がかかってしまい、規模の小さな例題に対してしか実験を行えないという問題がある。そこで本研究では、最適解が既知である例題を生成するアルゴリズムの設計可能性について論じた。その結果、計算量理論におけるある妥当な仮定の下では、全ての例題を生成する多項式時間アルゴリズムが存在しないことを示した。また、既存研究で使われている例題生成アルゴリズムをベースに例題の部分集合を生成することを試み、本手法の限界を理論的に示した。この結果は情報処理学会の論文誌 Journal of Information Processing に掲載された。
(2) 安定マッチングを2次元平面上で幾何的に捉え、枝の交差を許さない非交差安定マッチングという問題が既存研究として存在していた。本研究では既存論文で述べられていた未解決問題を解決し、その結果を査読付き国際会議 IWOCA 2020 で発表した。
(3) 安定マッチングに関するこれまでの研究成果を産業界および一般に周知するため、京都大学第15回ICTイノベーション（オンライン開催）にて発表した。
|
