2016 Fiscal Year Research-status Report
計算量クラスの階層定理の証明と論理合成システムの新評価法の確立
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16K00020
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩本 宙造 広島大学, 工学研究院, 教授 (60274495)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 計算の複雑さ |
Outline of Annual Research Achievements |
n変数の関数f(x1,x2,...,xn)に対して,素子数nの3乗の回路を設計したとする.はたして,良い回路が設計できたかどうかは,どのように評価すれば良いだろうか.たとえば,任意の微小な定数ε>0に対して,素子数nの(3-ε)乗の如何なる回路でも関数fは計算できないといった最適性が,理論的に証明できればいいのだが,その証明は非常に難しいことが知られている.さらに言えば,任意の有理数r>1に対して,素子数nのr乗の回路で計算できるが,素子数nの(rーε)乗の回路では計算できないという具体的な関数fが実際に存在するか否かさえも分かっていないのである.本研究の第一の目的は,問題を解くのに必要となる計算時間や記憶領域量などの計算資源量に基づく計算複雑性クラスの間の包含関係や,クラス間の階層性を明らかにすることである.そして,クラス間に存在する真に難しい関数を人工的に作成し,システム評価に役立てる. 2016年度は,多項式時間で計算できる問題のクラスであるPと,それを包含している非決定性クラスNPについて,クラス間の関係を調べた.その結果,直交多角形内の最少警備員配置と呼ばれる組合せ問題がNP困難であることを,3-occurrence-3-SAT問題からの多項式時間還元により証明した.この結果は,クラスPとクラスNPの間の真の包含関係を示唆する一つの証拠を与えている.本結果は,IEICE Transactions on Information and Systemsに2017年7月に掲載されることが決定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計算複雑性がNP困難となる具体的問題を既に発見している.
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度の研究成果は計算幾何学の可視性に関する問題のNP困難性を証明した.2017年度は組合せ最適化問題を対象に,NP完全や,PSPACE完全となる具体的問題の発見を目指す.
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Causes of Carryover |
2016年度当初は,共著の大学院生一人を帯同する国際会議への外国出張を1件,および,研究代表者単独での国際会議への外国出張を1件予定していた.しかし,英文ジャーナル論文として,できるだけ早期に研究を公表すべきと考え,投稿先を国際会議から国際学術雑誌に変更した.そのため,外国旅費を節約できた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した予算は,2016年度の国際会議の旅費と,システム評価に必要なコンピュータの購入に充てる.
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Research Products
(2 results)