2020 Fiscal Year Research-status Report
複雑な制約下での離散資源配分問題:離散凸解析を武器としての探求
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16K00023
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田村 明久 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (50217189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野寺 隆 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 名誉教授 (50156212)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 離散資源配分問題 / 離散凸関数 / 離散構造 / 離散最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,離散凸解析という良い離散構造をもつ枠組みを武器として,離散的な配分においてプレイヤーが複数存在する状況下で,プレイヤー全体やその 部分集合が設定する複雑な制約を満たしつつ,個々のプレイヤーが満足する配分とは何かという解概念とそれを求めるアルゴリズムを研究し,現実問題へフィー ドバックすることを目的としている. 今年度は,学術雑誌Japan Journal of Industrial and Applied Mathematicsに投稿していた論文「Directed discrete midpoint convexity」が掲載された. 研究については,不可分材の配分において補助金を出すことにより他人に配分された財集合と補助金を羨ましいと思わないという性質(この性質を無羨望性という)を満たすという意味において公平に配分するという問題に取り組んだ.各プレイヤーの選考がマトロイドという離散構造を有する場合に,各プレイヤーに対する補助金を高々1に抑えつつ,各プレイヤーが自分の正直な選考を述べるという耐戦略性をもつメカニズムの開発を行った.得られた成果を国際会議での発表を目指し投稿した.これは2020年度の推進方策で挙げた(テーマ4)「他の離散資源配分問題への適用」についての進展である. 本研究課題で作成したソフトウエアについて,利用状況の変更に伴う改訂が必要となり,継続使用ができるように改訂作業を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学術雑誌に投稿していた論文も掲載となり,新たな研究成果も得て,現実問題へのフィードバックについても作成したソフトウエアを改訂することで利用が継続中であり,前進はしている.オンラインでの研究打合せを行なっているが,対面での議論ができなかった点とオンライン講義の資料作成という例年と異なる教育業務が増えたことで,研究の進み具合は例年より良くはない.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度については,研究の余地が残っている(テーマ1c)「3つのM#凹関数を用いたモデルに対する完全なアルゴリズムの構築」,(テーマ1d)「M#凹関数 を用 いたモデル に対する代替性への拡張」の解決を目指す.
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大の状況が落ち着けば,参加を見合わせた研究集会等への参加,成果発表等のための海外渡航や海外研究者招聘を実施する.感染状況が落ち着かない場合には,オンラインでの研究活動が主流となるため,それに耐える能力のパソコンやペンタブレット等の発表支援機材とソフトウェアを購入する計画である.
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