2017 Fiscal Year Research-status Report
非正則性を有するセルオートマトンのための同期アルゴリズムの開発とその応用
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16K00026
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
梅尾 博司 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (80132356)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | セルオートマトン / FSSP / 同期アルゴリズム / Synchronization |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,申請者がこれまで開発・蓄積してきた様々なタイプの同期アルゴリズム(FSSP)をベースとして,それらを拡張し,様々な非正則性を有するセルオートマトンのための同期アルゴリズムを開発し,分子計算などに代表されるNatural Computing環境,非正則超細粒度並列計算機構への応用を目指すものである.今年度は,昨年度に引き続き,FSSP解のさまざまなサブクラスに焦点を当て,国際ジャーナル誌に4件の論文発表を行うとともに,3冊の図書に分担執筆者として各章を執筆した.各章の内容は本研究で得られたFSSP解の最新の研究成果を取り入れている.さらにJournal of Cellular Automataにて本研究に関連している国際会議Automataのためのspecial issueの編集を行った.国際会議に5件の論文発表を行い,国内では情報処理学会,電子通信学会などの研究会で,5件の研究発表を行った. 研究課題として,同期アルゴリズムをセル空間の分割・マーキングという観点から見直すとともに,指数関数的マーキングに基づくFSSPアルゴリズムを再構成し,それらが状態変化計算量と同期時間の両方において最適性を持っていることを明らかにした.さらにそれらのアルゴリズムのクラスを明確にするとともに,初期信号の位置に関する一般化も可能であることを示す.また4状態FSSP解の解明にも成功する.これらの研究成果の一部は本年度に研究発表がなされているが,大部分は次年度に持ち越しとなった.最終年度において,国際会議で研究発表,国際論文誌で論文発表がなされる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従って研究成果を達成していると考えている.2次元アレイ上での新しいFSSPアルゴリズム・クラスを提案し,これらはInternational Conference on Future Computational Technologies and Applications並びに14th International Colloquium on Theoretical Aspects of Computingなる国際会議で発表された.さらに4状態からなるFSSP Partial Solutionの新しいクラスを発見し,それらは23rd International Workshop on Cellular Automata and Discrete Complex Systems, 14th International Conference on Parallel Computing Technologiesにて研究発表がなされた.さらに1-bit cellular automaton上でのFSSP解の構成,fault-tolerant FSSP解の開発,グラフ構造ネットワーク上でのFSSP解の構成についても,次年度に研究発表を予定している.研究全体としては,おおむね順調に進展しているものと思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
セル空間上で故障などに対応したFSSP同期アルゴリズムの開発は極めて重要であり,多次元アレイ上への拡張を試みる予定である.現在6状態解の開発最終段階であり,かなりいい方向に進展している.また4状態のPartial solution の新しいクラスがほほ解明され,全体像の詳細な解析は近いものと思われる.FSSP解をセル空間の再帰的分割・マーキングとして捉え,それらの特徴づけと一般化の可能性が非常に高くなり,これらの統一的な視点を明らかにする予定である.また1ビット通信FSSP解を様々なセルオートマトンのサブクラス上に実装する予定である.
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Causes of Carryover |
(理由) 2016年度並びに2017年度に得られた研究成果が多数あり,その後さらに新しく研究成果が追加されたり,改善されたりしている.それらの国際会議での研究発表,国際誌での論文投稿が2018年度に予定されている.主としてそのための費用として,本年度の研究し予算を,2018年度に繰り越しをしている.国際会議に出席するための費用,旅費,論文投稿費用などに使用する予定である.主として上記の目的達成のため,2018年度に計上している.(使用計画) これらの研究成果は,2018年6月にBulgaria, Sofiaにて開催される国際会議BIOMATH 2018,2018年9月にItaly, Comoにて開催される国際会議ACRI 2018,2018年10月にSouth Africa, Stellenboschにて開催される国際会議ICTAC 2018にて研究発表を予定している.これらの国際会議に出席するための費用として計上している.さらに同会議開催研究機関にて研究交流を行う予定である.さらに複数論文誌への投稿費用として計上している.
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