2016 Fiscal Year Research-status Report
状況アウェアネスと情報スーパーバイザ制御のための数理モデルの構築
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16K00032
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
平石 邦彦 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40251970)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 状況アウェアネス / スーパーバイザ制御 / 離散事象システム / 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,複数のエージェントが連携行動を行う場面において,状況に応じた適切な情報提供によりエージェントの連携行動を制御する「情報スーパーバイザ制御」実現のための数理モデルの構築,さらに,それに基づいたスーパーバイザ制御則の導出と,シミュレーションおよび実験による有効性の確認を目的としている. H28年度は,情報スーパーバイザ制御に関する数理モデル構築のための概念的枠組みの提案を行い,さらに,枠組みの妥当性を確認するために,介護施設におけるスタッフの連携作業を再現した実験を大学キャンパス内で実施した. 数理モデルとしては以下の3層からなるモデルを提案し,国際会議で発表した:(i)複数のエージェントが連携して行動する状態空間,(ii)エージェントの置かれた状況の遷移を表す抽象化空間,(iii)状況に応じた適切な情報提供を決定する情報スーパーバイザ. つぎに,4人の介護スタッフ役が与えられた作業を一定時間内に行う実験を実施した.各スタッフ役は「音声つぶやきシステム」と呼ばれる通信デバイスを持ち,自己の状況について音声による情報発信を行う.発信された情報は全員にブロードキャストされ,テキストとしても閲覧可能である.このとき,発信内容が連携作業に与える影響を定量的に評価するのが実験の目的である.情報発信の内容については,あらかじめ決められた複数のパターンを用意し,パターンの違いが行動にどのような影響を与えるかについて,複数の定量的評価指標を設定してデータを取得した.現在,データの解析を行っている.H29年度には,実験データに基づいたシミュレーションモデルを作成し,状況が再現されることを確認する計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H28年度は当初の計画どおり,理論モデルの構築とその妥当性を検証するための実験を実施できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,H29年度は情報スーパーバイザの制御則を理論モデルに基づいて導出する方法について検討する.応用については,介護現場を模した実験は実施済みである.もう1つの事例として,航空管制における状況把握と予測に関するものを予定しており,準備として,空域における航空機の3次元位置の時系列データであるCARATSオープンデータを国土交通省航空局より入手した.
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Causes of Carryover |
学生に対して謝金を支払い研究の一部を実施してもらう予定だったが,入学がH29年度になり,H28年度は使用しなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は,学生への謝金,および,学会発表の旅費として使用する.
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Research Products
(4 results)