2017 Fiscal Year Research-status Report
状況アウェアネスと情報スーパーバイザ制御のための数理モデルの構築
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16K00032
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
平石 邦彦 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40251970)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 状況アウェアネス / スーパーバイザ制御 / 離散事象システム / 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,複数のエージェントが連携行動を行う場面において,状況に応じた適切な情報提供によりエージェントの連携行動を制御する「情報スーパーバイザ制御」実現のための数理モデルの開発,それに基づいたスーパーバイザ制御則の導出,さらに,実験およびシミュレーションを用いた有効性の確認を目的としている. H29年度は,H28年度に実施した「音声つぶやきシステム」を用いたフィールド実験の結果に基づき,情報スーパーバイザ制御の概念を数理モデルとして定式化した.モデルはシステムの状態,観測による状況認識,状況に応じて選択されるエージェントの行動ルールからなり,フィールド実験に出現した状況を完全に説明できるものとなっている.さらに,フィールド実験の数理モデルをシミュレーション可能な形で計算機ツール上に実装した.シミュレーションにより様々な情報提供の下での性能評価指標を導出し,フィールド実験の結果と比較した.定性的には同じ傾向が見られたが,定量的には多少の差異があった.その原因は,モデル化の粒度に起因するものであると判断している. もう1つの応用である,航空管制におけるセクター流量モデルを用いた状況把握に関する研究を開始し,CARATSオープンデータからの空域スナップショットを高速に計算する手法を開発した.この手法は,10秒ごとに計測された日本国内の全航空機の位置情報データから,空域の管理単位であるセクターごとに,そこに存在する航空機群を求めるものである.航空機の物理特性を考慮することで,単純な計算方法に比べ6倍程度の高速化を達成した.このデータをもとに,空域の状況を認識し,適切に制御する方法を開発する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年度は当初の計画どおり,理論モデルのシミュレーションを用いた評価を行い,国際会議および国内研究会で成果が発表できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は,理論モデルと状況認識に関する成果を学術誌論文にまとめる予定である.また,CARATSオープンデータを用いた航空管制におけるセクター流量モデルの構築を行う.
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Causes of Carryover |
謝金を支払う予定の学生の入学がH29年度からになり,H28年分の謝金が繰り越されているため.また,参加予定の国際会議の開催時期がH30年度に変更されたため. 次年度使用額は,国際会議の参加など,学会参加のための旅費として使用する.
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Research Products
(6 results)