2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K00040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 祐造 東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (30304728)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 予測分布 / ベイズ統計学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,多変量正規分布のもとでのベイズ予測分布の研究を行なった.カルバック・ライブラー距離のもとでのベイズ予測分布の研究,特に統計的決定理論のもとで,平均ベクトルの次元が3以上の場合にスタイン現象が生じる点に着目した研究として,Komaki (2001),George et al. (2006)がある.また,逆カルバック・ライブラー距離のもとでは,予測問題は推定問題に帰着する.もちろんこの場合にもスタイン現象が生じることはよく知られた事実である.従って,カルバック・ライブラー距離と逆カルバック・ライブラー距離をつなぐalpha-divergence距離のもとでも,スタイン現象が生じ,また調和型事前分布を始めとする縮小型事前分布が改良のために有効であることが予想される.一方で,alpha-divergence距離の関数の形は,カルバック・ライブラー距離に比べて複雑であり,取り扱いが難しい.研究申請書にも記した通り,九州大学・大西教授との共同研究としてこの問題を考えてきた. 我々はリスクの差を平均値の定理を用いて表現すること,及びいわゆるスタイン等式(ガウスの発散定理),及び熱方程式により,スタイン現象が生じるための十分条件を導出した.(2016年5月)また,2017年3月に九州大学にて行なった研究ミーティングでは,熱方程式への依存は本質的ではなく,スタイン等式のみで証明できることを確認した. 現在までに得られた結果をarXiv:1605.05899で公開して,適宜更新しながら研究を推進している.ある程度まとまった段階で,査読付き国際学術誌に投稿予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた共同研究者との共同研究が順調に進んでおり,最低限の目標であるarxivでの公開が実現できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
arXiv:1605.05899で公開して,適宜更新しながら研究を推進していく.ある程度まとまった段階で,査読付き国際学術誌に投稿予定である.その研究打ち合わせのため,国内出張を複数回予定している. また,国外の共同研究者との研究打ち合わせを9月に先方に出張して行う予定である.
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Causes of Carryover |
アメリカ在住の共同研究者との共同研究のための出張が,双方の都合がなかなか合わせられずに滞在回数,滞在日数とも少なくなったことである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
9月と年度末の3月にアメリカ出張予定である.また,既に3度の国際会議での講演が予定されており,今年度は順調に執行出来る見込みである.
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Research Products
(4 results)