2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K00040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 祐造 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30304728)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 統計学 / ベイズ統計学 / 統計的決定理論 / 許容性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は,尺度母数が未知のもとでの球面対称分布における平均ベクトルの推定問題を主に考えた.ここで,球面対称分布の仮定は多変量正規分布の一般化であり,過去の研究において統計的決定理論に関する種々の性質に関する頑健性が示されてきた.また,誤差項を正規分布から球面対称分布に一般化した場合の線形回帰モデルのcanonical formでもある.
さて,この設定において尺度母数が未知で撹乱母数であることが問題の取り扱いを難しくしており,特に許容性についての結果はほとんど知られていない.尺度母数が既知の場合に,特に正規性の仮定のもとで,ほぼ完全な結果が50年前に得られていることと対照的である.2017年度は考える推定量のクラスをある共変性を満たすクラスに制限した上での許容性を考察した.特にそのような共変性を導く性質の良い縮小型事前分布のもとでの一般化ベイズ推定量が制限されたクラスにおいて許容的であるための十分条件を提案できた.また,許容性だけでは良い推定量の基準としては弱いが,さらに上記のサブセットがミニマクス性も併せ持つ推定量であることを示した.尺度母数が未知の場合においても,尺度母数が既知の場合の許容性の結果と類似性を持つことが予想されていたが,我々の結果は,肯定的でも否定的でもある.特に縮小型事前分布における超母数の選択において,制限を受けそうもない冪がマイナス1に制限されることが予想外であった.
研究成果は,2017年10月にarXiv:1710.02794に発表して,現在ある雑誌に投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載したアメリカの共同研究者を2017年度中に2度訪問し研究内容について議論した.成果としてプレプリントをarxivに投稿した.
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Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載したアメリカの共同研究者を2018年度中に訪問し,これまでの成果を踏まえてどのような方向性で理論的な結果を導けるか議論を重ねる.
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Research Products
(5 results)