2017 Fiscal Year Research-status Report
異質性や非定常性のあるデータにおける未観測交絡変数を許す因果構造推定法と応用
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16K00045
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
清水 昌平 滋賀大学, データサイエンス学部, 教授 (10509871)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 因果探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
個体差という異質性を考慮して、未観測共通原因がある場合で、かつ巡回の場合の因果探索のためのモデルを作った。これは、未観測共通原因を個別にモデリングするのではなく、その和をモデリングするというアイデアに基づいている。線形性を仮定すると、未観測共通原因の影響が、個体ごとのモデルの切片の違いとしてのみ現れてくる。この切片が、未観測共通原因の「和」の個体ごとの値に当たる。データの非ガウス性を利用して、未観測共通原因がある場合でも因果探索を行う研究では、非巡回性質の仮定をおいたモデルは開発済み(Shimizu & Bollen, 2014)であったが、この非巡回性の仮定を緩め、巡回性のあるモデルへと拡張を行った。非巡回性も仮定する場合は、モデル選択をするステップをアルゴリズムに加える必要があった。しかし、巡回性を許すことで、モデル選択のステップを経由するのではなく、大まかに言えば、推定の問題として因果探索の問題を扱えるようにすることができた。これは、未観測共通原因がない場合の代表的な因果探索アルゴリズムの一つであるLiNGAMアルゴリズム(Shimizu et al. 2006)の長所を受け継いでいる。因果関係を表す因果グラフの情報を一つの係数行列に押し込むことができた。現在、プログラミング実装が進行中である。言語はPythonで、申請者のWebページで公開の準備を進めている。来年度に完成後は、実データへ適用し、有用性の検証を行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデルについては、順調に進んでいるが、実装もそれに合わせて進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
実装をさらに進め、領域のデータに適用する。
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Causes of Carryover |
コンピュータの購入を次年度に伸ばしたため
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Research Products
(11 results)