2018 Fiscal Year Research-status Report
異質性や非定常性のあるデータにおける未観測交絡変数を許す因果構造推定法と応用
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16K00045
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
清水 昌平 滋賀大学, データサイエンス学部, 教授 (10509871)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 因果探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
介入のない観察データから因果関係を推定するための研究開発の一環として、因果関係が非線形の場合の因果探索法をつくった。2変数の場合には因果の向きについて、回帰による最小二乗誤差を比較することにより、その向きを推定することを考えた。データ生成過程を表す関数と誤差の分布が「独立」という仮定の下、もし二つの変数が同様にスケーリングされ、因果関係が決定的な関係に近ければ、正しい因果方向の場合の方がそれと反対向きの因果方向の場合に比べて、最小二乗誤差が小さいことを示した。この関数と誤差の分布が「独立」という基準は、通常の独立性の定義とは異なるが、因果探索する上での追加情報として、方法論分野において注目されているものである。
従来は、誤差変数と原因候補の変数との独立性を調べる必要があったが、最小二乗誤差の大小を調べれば良いことがわかった。独立性の評価は一般に大きなサンプルサイズが必要であったり、計算コストが高かったりするので、最小二乗誤差の評価で済めば、より少ないサンプルサイズや小さい計算コストで因果方向の探索ができる。国際会議AISTATS2018にて発表を行った。
また, つくった方法論を実際の応用領域で検証するために、大学や企業を含め研究協力者を見つけ、検証に向けた議論をし、マーケティングや製造業、食品系のデータで検証を進めるための準備を行った。これまでにつくった方法論に加え、来年度つくる方法論もそれらの実際のデータを用いて評価し、また方法論の改善につなげる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非線形化に関する論文が出版されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
実際のデータにおける検証を進めていく。
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Causes of Carryover |
納品が間に合うように、書籍数冊の購入を次年度に回すことにしたため。
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Research Products
(11 results)