2018 Fiscal Year Annual Research Report
Novel characterization of rare events in dynamic data and its application to biological time series
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16K00059
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
藤崎 弘士 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60573243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末谷 大道 大分大学, 理工学部, 教授 (40507167)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レアイベント / 分子動力学シミュレーション / 多様体学習 / 時系列解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在は大量の時系列データが生み出される時代であり、そのデータの本質を取りだすための解析方法が求められている。静的な画像データであれば、深層学習を含む機械学習を用いた解析法が威力を発揮するが、レアイベントを含む時系列データに関しては、十分にデータが取れないこともあり、解析がうまくいかない。そこでここではタンパク質の時系列データから情報を取り出すために、多様体学習と重み付きアンサンブル法を用いた計算を行い、その解析を行った。具体例としては、水溶液中のシニョリンと呼ばれる10残基の小タンパク質を分子動力学(Molecular dynamics, MD)シミュレーションを用いて調べた。 シニョリンには2つの準安定な状態が存在し、それらの間を遷移するレアイベントが存在する。まずは解析をしやすくするために、高温のMDシミュレーションを実施し、その時系列を用いて、多様体学習の一つである拡散マップ法を用いて系の次元削減を行った。この結果として、レアイベントに対応するゆっくりした成分が引き出せるが、これが以前の研究から求められている緩和モード解析の主要なモードに対応することが分かった。また、それは構造変化と密接に関わるグリシンの2面角に対応することも分かった。 次に、この拡散マップ法によって得られた低次元空間において、重み付きアンサンブル法を用いた非平衡MD計算を行った。その結果として、レアイベントのパスアンサンブルや、遷移レートを求めることが可能となった。重み付きアンサンブル法は粒子フィルター法と同じく、大量の粒子のアンサンブルを用いて、それらをある条件で生成消滅させて発展させる手法であり、超並列計算により非平衡MDを効率的に解析できることが示せた。
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