2016 Fiscal Year Research-status Report
対サイバー攻撃アルゴリズムのスループットと電力性能比を向上する計算機システム
Project/Area Number |
16K00071
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
嶋田 創 名古屋大学, 情報基盤センター, 准教授 (60377851)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 良太郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40324454)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 計算機アーキテクチャ / セキュリティ / 対サイバー攻撃 |
Outline of Annual Research Achievements |
GPGPUを利用したアクセラレーションによる対サイバー攻撃アルゴリズムの低消費電力化として、One Class SVMを用いた通信トラフィックからの悪性通信の検出方法のGPGPUによるアクセラレーションを行った。また、複数の機械学習系アルゴリズムの実行スループットと検知精度の形で、電力性能比の評価を行った。これらの成果は国内研究会で発表を行った。また、研究で利用するトラフィックデータセットの更新と一般公開を行った。 対サイバー攻撃アルゴリズムを実行するプロセッサの低消費電力化に関する研究として、キャッシュメモリと分岐先バッファ(BTB)に関する低消費電力化研究をまとめ、論文とした。また、ALUカスケーディングを利用したスループット向上、性質の異なるL0キャッシュを用いた低消費電力化について研究を実施し、国際会議にて発表した。 サイバー攻撃に対抗するアルゴリズムの研究として、マルウェアの検知/解析に関する研究として、通信トラフィックからのHTTPを利用したC&Cサーバとの通信の検出方法、通信のセッションシーケンスを行なう方法、感染した端末のプロセスからのAPIコールログよりマルウェアと推定されるプロセスを決定するアルゴリズムについて研究を行い、国内外の研究会等で発表を行った。また、サイバー攻撃を緩和するネットワークを構築するアルゴリズムとして、Active Directoryのようなディレクトリサービスと実トラフィックデータからアクセス制御リストを生成するアルゴリズムの研究についてまとめ、論文として発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画にあった種々の対サイバー攻撃アルゴリズムの電力性能比評価については完了した。また、クライアントのGPUを利用した対サイバー攻撃アルゴリズムの低消費電力化についても研究成果を得た。一方で、FPGA化による電力性能比向上については、この研究テーマを希望する学生が現れなかったため、平成28年度に予定していた内容を進めることができていない。代替として、対サイバー攻撃アルゴリズム側についての攻撃検知精度に改善に関する研究をいくつか実施した。
|
Strategy for Future Research Activity |
GPU等を利用した並列化と、並列化で改善した性能をDVFSによる消費電力削減に利用することによる電力性能比の向上は予定通りに進める。一方で、FPGA利用による電力性能比の改善については、名古屋大学側で研究を希望する学生が少なく、工学院大学側(研究協力者の異動により、豊橋技術科学大学から変更)で研究を推進する学生から希望者を募ることも考える。なお、名古屋大学側では代替として、対サイバー攻撃アルゴリズム自体の改良による電力性能比向上を試みる。
|