2018 Fiscal Year Research-status Report
文脈を考慮したコード補完の実装の系統的導出に関する研究
Project/Area Number |
16K00106
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠埜 功 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (10362021)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | コード補完 / 構文補完 / LR構文解析 / 文脈 / 穴 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度に、コード補完の基本的な場合として、LR構文解析に基づいて構文および識別子の補完を行う方式を考案、実装し、ACM SIGPLAN 2018 Workshop on Partial Evaluation and Program Manipulation(PEPM2018)において発表した。この研究においては、カーソル位置より前の部分は完全にプログラムが記述されているという前提を置き、この前提のもとで、カーソル部分より後ろの部分に来うる構文の候補を提示するという問題設定とした。その際、補完候補は、構文のうち不明な部分を穴とする文脈の形とし、後置と前置の2種類の文脈を用いた。これらの文脈を構文定義から導出するアルゴリズムをPEPM2018の発表では与えていなかった。そこで平成30年度は、このアルゴリズムを考案し、論文を国際会議PADL2019、国内会議PPL2019へ投稿した。しかしアルゴリズムに不備があり、論文は採録に至らなかった。平成30年度に行った研究の意義は、テキストベースでの、文脈を考慮した構文補完システムの実装を一部機械化することにある。従来から研究されている構造エディタでなくテキストベースのエディタを対象とするのは、構造エディタではプログラマのプログラム編集の自由度が低く、実際に使うプログラマが少ないからである。テキストベースの開発環境は、EmacsやEclipse等において多くの環境が広く用いられているが、これらは補完機能の仕様が明示されていない。平成30年度の研究は、どのような編集が開発環境において行われるか明確に把握したいプログラマにとって意味のある開発環境を提供する上での1つの過程である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に記した通り、平成30年度に書いた論文中のアルゴリズムに不備があった。そのため、会議での発表に至らず、当初の想定より遅れた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、平成30年度に考案したアルゴリズムの不備を直し、論文を国内外の会議へ投稿する。その上で開発したコード補完システムをインターネット上で無償で公開する。
|
Causes of Carryover |
平成30年度に国内外の会議へ投稿した論文が採録に至らず、平成31年度にアルゴリズムを修正して論文を改訂し、国内外の会議で発表するため。
|