2016 Fiscal Year Research-status Report
無線ネットワークのための自律分散クラスタリングを用いた弾力的な通信経路選択技術
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16K00136
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
大田 知行 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (90347617)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | モバイルアドホックネットワーク / クラスタリング / 情報配信技術 / 車車間ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,P2PネットワークとMANETにより構成される無線ネットワーク環境において,ネットワークトポロジに応じて弾力的に情報配信の通信経路を選択する技術について開発する. これまでに,モバイル端末の持つ携帯電話網と近接無線通信機能で構成されるモバイルアドホックネットワークから成る無線ネットワーク環境をネットワークシミュレータに実装してきた.さらに,P2Pネットワーク上での情報配信の通信経路選択技術について検討を行い,性能評価を行った.具体的には,P2Pネットワークによるモバイルコアネットワークの負荷を軽減するために,MANET を活用した情報配信手法についての検討を行った.提案手法では自律分散クラスタリングに基づいた二階層ネットワークにおいてモバイルエージェントによる情報配信を行っている.自律分散クラスタリングに基づいて二階層ネットワークを構築し,クラスタを管理するクラスタヘッドにのみ無線インフラストラクチャ通信を用いて情報を配信し,周囲に転送することで,モバイルコアネットワークにかける負荷を軽減する.少ない負荷で情報配信が可能であるモバイルエージェントによる情報収集・配布方式を行うことにより,無線インフラストラクチャ通信により情報を受信しなかったノードに対して情報配信を行っている.提案手法をシミュレーション実験により提案手法の性能評価を行い,提案手法は全ての端末がモバイルコアネットワークを利用して情報配信を行うよりも情報普及速度が遅くなるが,モバイルコアネットワークに対する負荷を大幅に軽減していることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3G/LTEネットワークとMANETで構成される無線ネットワーク環境をネットワークシミュレータに実装を行い,本無線ネットワーク環境下でのP2PネットワークとMANET間の通信経路選択技術に関する基本的な評価を行った.また,翌年度以降に実施を検討している実証実験のために,当初の計画を少し前倒し,実機実装を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
現在よりもさらに詳細なシミュレータでのP2PネットワークとMANETを併用した通信経路選択技術の性能評価を行うために,シミュレータの3G/LTEモジュールの詳細化や,車車間ネットワークのための性能評価を行っていく予定である.また,実機実装についてもモバイル端末の数を増やしつつ,通信経路選択技術のための機能の実装を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
使用するネットワークシミュレータをオープンソースシミュレータに変更したこと,及び,実機実装に使用するモバイル端末について,高性能で安価なモバイル端末を購入することができたため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
購入するモバイル端末の数を計画よりも増やし,実機実験を進めていきたい.また,研究成果を国際会議において発表するために,旅費を使用する.
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