2016 Fiscal Year Research-status Report
複雑な境界形状に対応できる流体シミュレーション技術の確立
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16K00148
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤澤 誠 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (90508409)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コンピュータグラフィックス / 流体シミュレーション / 粒子法 / 固体境界 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では流体のリアルタイムシミュレーション手法である粒子法とコンピュータグラフィックス分野で一般的に用いられているポリゴンモデルや曲面モデルの間の表現方法の違いによるギャップを,粒子法の改良により埋めることで,混成シミュレーションにおける精度と計算効率を向上させ,より複雑な境界形状を持つ現実世界の自然現象のコンピュータシミュレーションを可能とすることを目的としている. 本年度は本研究の基礎となる重み付きボロノイ分割を用いた流体粒子領域の生成と既存手法でも行われていた領域体積を保存する方法を実装し,その有効性を確かめた.ボロノイ分割を用いた方法は球形の粒子を用いて境界形状を近似する従来の方法に比べて多面体形状の領域を持つため,コンピュータグラフィックス分野の形状表現に一般的に用いられているポリゴンによる境界に対して高い親和性を持ち,より高い精度でのシミュレーションが可能となると考えられる.また,研究結果の検証のために体積保存条件に加えて,速度場に対して発散なし条件を加えた手法も実装した.さらにボロノイ分割による領域分けは流体シミュレーションだけでなく剛体の破壊表現にも応用でき,それについても研究を行い情報処理学会全国大会において発表を行った.本年度は提案法の基礎となる部分と比較となる既存手法の開発を行ったので,来年度以降でこれらの比較および提案法の精度をより高めるための改良を引き続き行っていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案手法の基礎となる領域分割による流体シミュレーションの開発は順調に進んでおり,また,比較のための既存手法の実装についても完了している.全体の目標である複雑な境界での精度向上についてはまだ検証に至っていないが本年度開発した技術をベースとすることで今後達成可能であると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
現在実装済みのものは単純なボロノイ分割による領域分けであり,境界形状を考慮に入れられていないため,今後の研究ではこの点について研究を進めていく.また,液体シミュレーションを行うために自由表面境界やCAD/CAMの分野で一般的な形状表現であるスプライン曲線・曲面への拡張についても検討していく.
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Causes of Carryover |
購入を予定していたグラフィックボード等の機器の価格下落のため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内出張経費等に使用する
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Research Products
(1 results)