2016 Fiscal Year Research-status Report
先進的デバイスの利活用による高性能データ基盤システムに関する研究
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16K00150
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川島 英之 筑波大学, 計算科学研究センター, 准教授 (90407148)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 並行実行制御 / トランザクション / 障害回復 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は先進的ハードウェアを用いた高性能データ処理についての研究を行った. 第一に,フラッシュストレージをログ用のストレージデバイスとする時にふさわしいWAL プロトコルとしてP-WAL を提案した.フラッシュストレージは複数のメモリチップに対して並列にアクセスすることで高い性能を発揮する.P-WAL はフラッシュストレージの特性を活用し,各ワーカーが専用の領域にログを書込む並列ログ書込み方式を用いる.この方式により従来の直列WAL 方式で発生する,排他制御処理とストレージI/O に伴う性能低下問題を解決する.P-WAL をトランザクションシステム上で実装し,性能評価を行った.その結果,P-WAL は直列WAL 方式に対してマイクロベンチマークで10.0 倍,TPC-C ベンチマークにおいて2.3 倍の性能向上を示した. 第二に,分散トランザクション処理の高性能化を行った.分散データベース管理システムにおいて外部キー制約などを効率的に行う方式として RAMPトランザクションがある.これを高性能インターコネクトであるInfiniBandを利用し,RDMAを活用する方式を提案した.RDMA-READを活用した方式はYCSBを用いた実験において,従来方式の2.67倍の高性能化を達成した. 第三に,タイムスタンプベースの並行実行制御手法TicToc について着目した.並列ログ先行書き込み手法P-WAL とTicToc を結合し,性能を実験的に評価した.評価実験の結果,ログ書き込み先に不揮発性メモリを想定した環境では,データベースオブジェクトへのロックを早期解放するELR と,ログレコードをストレージへ一括転送するグループコミットが性能劣化を招くという興味深い知見を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複数の先進的デバイスを用いた新規成果を出すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度以上に先進的デバイスを活用した成果を出していきたい.
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Causes of Carryover |
旅費の切り詰めならびに先端的ハードウェア利用料金の削減に成功した結果,一部の予算を余らせることに成功しました.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予想以上の成果が出つつありますので,これらの予算を研究発表等に使って参りたく思います.
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