2018 Fiscal Year Annual Research Report
A theory and practice of achieving high updatability of views based on pro forma guessing of update intention
Project/Area Number |
16K00152
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
増永 良文 お茶の水女子大学, 999, 名誉教授 (70006261)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リレーショナルデータベース / ビュー / ビューサポート / ビューの更新可能性 / 意図に基づくアプローチ / 制約充足問題 / SQL / PostgreSQL |
Outline of Annual Research Achievements |
ビュー(view)は,レーショナルデータベースに対する問合せの結果をあたかも実リレーションのように扱える簡略化表現としてユーザの利便性に供し,ANSI/X3/SPARCのいう論理的データ独立性をリレーショナルデータモデルで達成する手段であり,またデータベースのセキュリティ実現のための手段として,理論的にも実践的にも有用であると認識されている. しかしながら,ビューは仮想的なリレーションであるため,ビューを更新しようとすると異状が発生する場合があり,ビューの更新可能性が問題となってくる.これを「ビュー更新問題」という.本研究は,研究代表者が着想した「更新意図の外形的推測に基づくビューの更新可能性」,簡単に「意図に基づくアプローチ」という,に基づき,リレーショナルデータベースのビュー更新可能性を理論的にも実践的にも極限にまで高めようとするものである. 3年計画の最終年度にあたる本年度は,研究協力者の石井達夫氏と長田悠吾氏(共に,SRA OSS, Inc.日本支社)と共にこの問題に取り組み,その結果,「バッグ意味論の下での直積ビューの更新問題は非線形連立方程式を解く問題に帰着できる」という前年度の結果をさらに精緻化することに成功し,「バッグ意味論の下での直積ビューの更新問題は制約充足問題(CSP)として定式化でき,一般にCSPはNP完全であるものの,CSPを解くアルゴリズムの一つとして知られる併合法を用いると問題はストレートに解け,さらに併合法の特性に着目するとバッグ意味論の下での直積ビューの更新判定アルゴリズムはリレーショナルデータモデルの自然結合演算で実現できる」という結果を得ることに成功した.これはこれまでに全く知られていない結果で,ビューサポートシステムの実装に新風を吹き込むものである.この成果は国際会議IMCOM2019並びに国内会議DEIM2019で発表されている.
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