2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K00156
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| Research Institution | Yamaguchi University |
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Principal Investigator |
川村 正樹 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (60314796)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 著作権・コンテンツ保護 / 情報ハイディング / 電子透かし / IHC評価基準 / 特徴点 / ニューラルネットワーク |
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| Outline of Annual Research Achievements |
情報ハイディング（IH）技術は、コンテンツ保護に役立つ技術である。実用化に向けて解決すべき課題は、電子透かしが埋め込まれたステゴ画像に対して、拡大縮小、回転、切り出し等の幾何攻撃や、非可逆圧縮などの非幾何攻撃を加えられたときでも、電子透かしが抽出できることである。この攻撃耐性についての評価基準にIHC評価基準がある。我々は、IHC評価基準に基づいて、攻撃耐性の高い電子透かし法を提案している。
本年度は、（１）画像の特徴点を検出し、特徴点の周辺に透かしを埋め込む手法と、（２）ニューラルネットワークを用いて、電子透かしを埋め込む手法を検討した。
手法（１）では、拡大縮小に耐性のあるSIFT特徴点を抽出し、その近傍に電子透かしを埋め込む。特徴点は画像の中に多数あるため、切り出し攻撃にも強い。一方で、回転については総当たりで透かしを検出する必要がある。各個別の攻撃に対しては、ほぼ誤り無く電子透かしを抽出できるのに対して、これらの複合攻撃に対しては、まだ誤りが残ってしまった。この成果は国際会議IIH-MSP2017で成果発表を行った。また、今年度は、特徴点の再検出率を向上させる方法を提案し、良い結果が得られている。この方法については、次の電子透かしコンテストで発表する予定である。
手法（２）では、階層型のニューラルネットワークにより、画像のDCT係数に透かしを埋め込む手法を提案した。非可逆圧縮に対しては耐性を持つことが分かった。また、ニューラルネットワークがどのような埋め込みを行なっているのかを解析した。この成果はEMM研究会で発表している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IHC委員会は、国際的なコンテスト形式によってIHC評価基準を満たす技術の提案を募集している。2017年度は、The Thirteenth International Conference on Intelligent Information Hiding and Multimedia Signal Processing (IIH-MSP 2017)において、コンテストが行われた。我々もSIFT特徴点に基づく電子透かし法を提案し、IHC Ver.5に対する評価結果を発表した。現在までのところ、IHC Ver.5を達成した手法は提案されておらず、我々の手法も一部の攻撃に対して、未達成の部分があったが、十分に有効な結果を得られており、今後の改良で基準を達成できる見込みである。
まだ、幾何攻撃など未対応の攻撃耐性があるが、ニューラルネットワークを用いた埋め込み方法の基礎を構築することができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では、学習に基づく情報ハイディング技術を提案することである。本年度、電子透かしの埋め込みと復号を行うニューラルネットワークを提案した。非可逆圧縮に対しては、一定の耐性があることが分かったが、幾何攻撃については、まだ対応していない。畳み込みニューラルネットワーク（CNN）のような幾何変換に強いネットワークを導入することにより、幾何攻撃にも対応していく予定である。
SIFT特徴点を用いた手法では、特徴点の再検出率を向上させる方法を提案することができたので、IHC評価基準を達成できるかを検討していく。回転攻撃に対しては、画像の歪みが大きく、誤りを小さくすることが難しい。引き続き歪みが小さくなる方法を検討したい。
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| Causes of Carryover |
（理由）
国際会議への参加を申請者と学生の２名を予定していたが、発表予定の学生が大学院を修了したため、参加者が１名となった。また、電子透かしコンテストが海外で開催されることを見込んでいたが、国内で行われることになったため、旅費が想定より少なく抑えられた。
（使用計画）
次の電子透かしコンテストが、ハワイで開催されることが決まっている。この旅費に使用したい。
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