2017 Fiscal Year Research-status Report
GPU向けビットレベル並列化による超ハイスループット計算
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16K00171
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
伊藤 靖朗 広島大学, 工学研究科, 准教授 (40397964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 浩嗣 広島大学, 工学研究科, 教授 (30281075)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | GPGPU / 並列処理 / ハイスループット計算 / Smith-Watermanアルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度では,GPU向けビットレベル並列化による超ハイスループット計算手法として,Smith-Watermanアルゴリズムを並列に実行するGPU実装を行った.Smith-Watermanアルゴリズムは動的計画法を用いて,ローカルアライメントを求める計算手法で,バイオインフォマティクスの分野において,DNA配列中に類似した部分列の探索に用いられる.今年度は,この計算をビットレベルで並列化し,複数のインスタンスに対してGPUを用いて同時に計算した.今年度は,昨年度開発したビットレベルで並列計算をおこなうBPBC手法をSmith-Waterman計算の類似計算の部分をbitwise演算で求めることで高速化を行う.bitwise演算は32ビットワードに格納された値に対して,ビット単位でANDやORなどの論理演算を実行する命令である.bitwise演算を用いてバルク計算を行うアルゴリズムに対応する組み合わせ回路をシミュレートすることで,複数の入力に対する処理を同時に実行することができる.このビット演算命令を用いて回路シミュレーションを並列に行うことで,GPUの計算リソースを効果的に使用する実装をおこなった.その結果,32768のシーケンス列に対し,長さ128のパターンのローカルアライメント計算を,提案GPU実装は逐次処理を行うCPU処理に対して最大646倍の高速化を実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28・29年度の結果より,複数の問題に対し,本研究テーマであるGPU向けビットレベル並列化による超ハイスループット計算手法には,GPUに搭載される多数のプロセッサコアと広いメモリ帯域を効果的に利用することが重要であることが認識できた.特に,できるだけ多くのプロセッサコアを使用することが性能に大きく影響することより,本研究テーマに適した並列アルゴリズムの開発の指針を示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度までに得られた結果より,次年度以降も様々な問題に対して,GPU向けのハイスループット計算手法を提案していく.具体的には,深層学習やグラフアルゴリズムなどの問題に適用させていきたい.また,BPBCのアイデアをCPUのSIMD命令に適用することで,GPU以外の環境への応用も検討する予定である.
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Causes of Carryover |
GPUベンダから新しいGPUの発売が予定されており,本研究テーマとマッチした最新のGPUを搭載したボードを購入する予定である.
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