2017 Fiscal Year Research-status Report
注意と意図の重畳を進化的に考える -鳥類網膜の遠心性制御の機能的意義の解明-
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16K00209
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
内山 博之 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (70223576)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 視覚運動統合 / 網膜 / 目標指向性運動 / 空間的注意 |
Outline of Annual Research Achievements |
「注意と意図の重畳を進化的に考える」という主題で,鳥類網膜の遠心性制御の機能的意義の解明を目指して研究を行っている.昨年度は,以下の3つのサブテーマで進展が見られた. 1.向網膜神経核の薬理学的不活性化による探索障害の定量的計測 2.転写因子CREBのリン酸化による向網膜系の制御対象の同定 3.大脳高外套尖頂部からのトップダウン入力の影響 特に,1では3面のタッチパネルを組み合わせて自作した広域視野刺激提示装置を用いて,向網膜信号遮断の視覚探索に対する影響を定量的に計測した.これまで向網膜信号遮断の影響は前方視野でのみ計測されていたが,この装置によって側方視野での計測が可能となった.これによって,向網膜信号遮断が側方視野に呈示された単一標的への定位の脱落を引き起こすことを初めて見出した.このように,向網膜信号遮断は標的への正しい定位のための視覚運動統合機能を障害することが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年計画の2年間で重要な知見を得ることが出来ており,概ね順調に進んでいると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
3つのサブテーマの内,以下の2テーマについて,特に注力する. 2.転写因子CREBのリン酸化による向網膜系の制御対象の同定 3.大脳高外套尖頂部からのトップダウン入力の影響 それぞれ,現在まで興味深い知見が得られており,それぞれ詳細を明らかにするために,周到に実験を進める.
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Causes of Carryover |
計測装置作成を次年度に持ち越したため. 次年度は最終年度でもあり,計測装置作成も含めて着実な使用計画を立案し,実施する.
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Research Products
(1 results)