2016 Fiscal Year Research-status Report
側頭葉てんかんの表情認知機能のメカニズムの解明-てんかん患者の社会生活
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16K00210
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
田中 章浩 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10733503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 敏樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30264782)
山田 惠 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80315960)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 側頭葉てんかん / 顔表情認知 / 機能的 MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
てんかん患者の社会的認知機能の低下が指摘されており、社会的認知機能の一つである顔表情認知機能の低下を報告した(Tanaka et al.2013.)。本研究の目的は成人てんかん症候群で最も頻度が多く難治性てんかんでもある内側側頭葉てんかん(MTLE:mesial temporal lobe epilepsy)の表情認知機能のメカニズムをfMRI(functional magnetic resonance imaging)を用いて解明することである。本研究で使用する表情認知課題は従来の静止画とは異なりより実際に近い動画表情刺激課題を用いており、いまだ解明されていない表情認知の神経回路網の解明、さらにMTLEの臨床応用に展開しててんかん患者の円滑な社会生活を目指している。対象者は当院てんかん外来通院中の患者で複雑部分発作の病歴、発作間欠期脳波・発作時脳波、3T-MRIなど包括的検査により診断された内側側頭葉てんかんの患者であり、動画表情刺激課題を用いてfMRIを施行する。平成28年度については、まず対象者決定のために診断の再評価を行い患者の設定を行った。上記により内側側頭葉てんかんと診断した患者のうち、fMRIを施行するにあたり、形態的異常、器質的病変を認めるものは除いた。また、fMRIの実験デザインを再検討しblock designで行うことに決定した。使用するタスクについては、公開された既存の動画表情刺激課題であるが、fMRI中に使用するにおいて改良が必要であり、現在取り組んでいる。なおこの改良は本研究に反するものではなく、過去の報告にも影響を受けないものである。設定した患者から対象者を決定し、質問指標および神経心理学検査を行う。また改良された動画表情刺激課題を用いてfMRIを実施する。実施後は解析を行い、また臨床パラメーターとの相関を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象者の設定fMRIの実施の準備をすすめたが、公開された既存の動画表情刺激課題をfMRI中に用いるには改良が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
設定した対象者に表情認知機能に影響を与える因子として挙げられる、抑うつ・不安について質問指標にて評価を行い、また神経心理学検査も行う。 fMRIについてまずは正常コントール群で施行し、ついで被験者で実施する。
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Causes of Carryover |
当初手予定していた神経心理学検査ついて遅れが生じているため また、動画表情刺激課題のプログラムに改良が必要となったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
神経心理学質問指標の準備 動画表情刺激課題のプログラミング
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