2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K00213
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Research Institution | Toyo Gakuen University |
Principal Investigator |
中村 哲之 東洋学園大学, 東洋学園大学人間科学部, 専任講師 (10623465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 創太 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (80738386)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知心理学 / 個体差 / 比較認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知的枠組みの個人差・個体差について検討するため、2つの研究を行うことを目的とした。今年度は、研究1「ヒトにおける認知的枠組みの強さの個人差とその要因の検討」をするための準備と実験をおこなった。 実験1では、実験刺激の操作による要因の検討のうち、比較的低次な知覚レベルの検討として、エビングハウス錯視の図形配置を変えたときの錯視量の変化を検討した。先行研究で示された通り、誘導円と標的円の距離によって、錯視量が変化することを確認した。 実験2では、実験刺激の操作による要因の検討のうち、やや高次な認知レベルの検討として、プリントサイズの好みに関する調査を実施した。内容は全く同じ、2種類のサイズの授業用穴埋めプリントのセット(A4サイズ(2枚)、A3サイズ(1枚))を多めに準備し、授業開始前に学習者が自由に取れるようにする授業を複数回おこなった後、質問紙調査を実施したところ、プリントサイズに対する好みには個人差があること、自身に合った適切なプリントサイズは授業に対する動機づけを高める可能性があることを示唆する結果が得られた。出席カードやアンケート用紙など、学習者自身が保管する必要の無い資料サイズの好みと授業プリントサイズの好みとの間には有意差が確認されたことから、先の結果が紙の大きさ自体に対する単純な好みではなく、補助教材としての用途を踏まえたうえでの好みであることも示された。今後は、他の認知能力との関係性を絡めながら、本結果について検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1に関する進捗と今年度の業績を考慮して、この評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
認知的枠組みの個人差・個体差について検討するため、2つの研究を行っていく予定である。研究1では、ヒトにおける認知的枠組みの強さの個人差とその要因の検討を行うため、今年度開始した研究をさらに進めていく。「比較的低次な知覚レベル」「やや高次な認知レベル」「社会的文脈」の観点からの検討をおこない、さらに、個人差を生み出す要因についての検討を進める。それにより、認知的枠組みの強さに影響する要因の関係性を明らかにすることを目指す。研究2では、鳥類(ハト、セキセイインコなど)における認知的枠組みの強さに関する検討を行う予定である。研究1の結果から、大きな個人差が確認された刺激を用いた実験を行う。研究の取りまとめとして、ヒトを含めた動物の認知的枠組みの特徴を「種」と「個体差」という2つの独立変数によって説明する認知モデルの作成を目指す。
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Causes of Carryover |
予定していた学会への参加を見送ったため。 購入予定の物品の納期が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
納期が遅れた購入予定の物品を購入することでの使用を計画している。
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Research Products
(12 results)
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[Book] Comparative Visual Illusions: Evolutionary, cross-cultural, and developmental perspectives. In Call, J., Burghardt, G., Pepperberg, I., Snowdon, C., & Zentall, T. Shapiro, A., & Todorovic, D. (eds.), APA Handbook of Comparative Psychology2017
Author(s)
Fujita, K., Nakamura, Noriyuki, Watanabe, Sota, & Ushitani, T.
Total Pages
1830(163-182)
Publisher
American Psychological Association
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