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2018 Fiscal Year Research-status Report

取調べの可視化に対応した供述信用性評価技法の開発

Research Project

Project/Area Number 16K00215
Research InstitutionAoyama Gakuin University

Principal Investigator

高木 光太郎  青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (30272488)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
Keywords供述 / 体験性 / 身体
Outline of Annual Research Achievements

2018年度はすでに入手済みの取調べ録音記録、録画記録、逐語記録の分析を集中的に行い、供述における体験性の有無の検証に結びつく音声的、身体的兆候の探索を進めた。公判速記録や取調べ事情聴取の反訳記録(事後的に無実であることが判明した被疑者による虚偽自白の反訳も含む)など文字記録を対象としたこれまでの分析から、実体験に基づかない供述においては、特に他者との言語的、身体的相互行為に関する具体的な供述を求められた場合に、その叙述が特徴的に希薄化する可能性が高いことが明らかになっている。2018年度は、このような記号レベルでの叙述の希薄化と、供述の音声的側面および身体的側面にどのような連関がみられるのか、あるいは連関がみられないのかという点の検討に特に重点をおいた分析を行った。本報告書作成時点では、これらの分析から明確な知見は得られていないが、着目すべきいくつかの連関の兆候は確認されているので、2019年度に引き続いて分析を進めたうえで、その成果を実験的な場面での検証に結びつけ、より確実な知見を得ることを目指す。
2018年度は上述の実証的な分析に加え、想起と体験性の関係に関する理論的な検討も行った。具体的には想起における体験性の問題を検討する際に、記憶を脳内に貯蔵されている記憶表象や、共同体が共有する集合的な記憶表象の水準で理解することによって、個的な体験を社会的な過程と分析的に分離して把握することが困難になるという点を、脳内の記憶表象を含め、記憶表象が社会的な了解可能性と不可避的に結びつく性質をもっているという側面から検討した。この研究成果は、2019年8月にデンマークで開催される国際理論心理学会(ISTP2019)で報告する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2018年度は事例分析を速やかに終えたうえで、その成果をふまえた実験的検討に移行する予定であったが、事例分析に予想外に時間を要したため、研究成果を確実なものにする実験的検討への移行ができず、研究全体の進行に遅れが生じた。

Strategy for Future Research Activity

現在進行中の事例分析に研究リソースを集中し成果を得たうえで、可能な限り速やかに実験的検討に移行することを目指す。実験的検討の時間が限られたものになるため、研究補佐等による研究サポート体制を充実させ、データ収集、分析を効率的なものにする工夫を行う。

Causes of Carryover

実験的検討への移行に遅れた生じ、それに要する予算の執行が2019年度となったため。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Toward a non-representational approach to individual experience: Problems of representationalism in memory studies2019

    • Author(s)
      Kotaro Takagi
    • Organizer
      The 18th biennial conference of International Society for Theoretical Psychology
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-12-27  

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