2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a statement credibility assessment technique for video-recorded interviews
Project/Area Number |
16K00215
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
高木 光太郎 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (30272488)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 供述信用性評価 / 言語化の回避 / 非言語化の力動・パターン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、被疑者取調べおよび被害者を含む事件関係者からの事情聴取の録画記録において利用可能な文字ベースの言語情報以外の非言語的な情報のうち、供述信用性評価に利用可能な情報を探索的に検討し、それを新たな供述信用性技法の開発に結びつけるいことを目的として、実際の事件において録取された録画記録および模擬的な状況を設定して収録した録画記録の探索的な検討を行った。 その結果、供述者と聴取者の身体的相互作用(表情、ゼスチャーなどを含む)については、信頼性のある供述信用性評価技法に結びつく側面を見いだすことができなかった。しかし、その一方で供述者が供述の特定のトピックにおいて反復的に示す「言語化の回避」の傾向を供述信用性評価に結びつけることができる可能性が見いだされた。より具体的には、「行為・反応の希薄もしくは簡略化された説明」「相互行為に関する説明の欠落」「記憶の不確かさの強調」といった言語的説明の省略、回避、曖昧化の傾向、すなわち供述のおける「非言語化の力動・パターン」に着目することで、一定の有効性のある供述信用性評価が可能であることが見いだされた。 これらの知見をふまえ、「供述の全体的傾向の量的分析」「個別供述における非言語化の力動・パターンの質的な分析」を組み合わせた鑑定技法を提案した。この成果については、2020年度中に学術誌への論文の投稿を行う予定である。またこの鑑定技法の理論的根拠については、2019年にデンマークで開催された国際理論心理学会(ISTP)で報告を行っている。
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