2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Cross-Linguistic Study of "Naru-expression" from the Viewpoint of Typology
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16K00217
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
守屋 三千代 創価大学, 文学部, 教授 (30230163)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ナル的表現 / 通言語的研究 / 認知言語学 / 類型論的研究 / ナル表現 / SOV言語 / スル的表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は当初は年度内での書籍の刊行は目指していなかったが、期日の延期に伴い、研究成果を書籍にまとめる方向に計画を転換し、2022/09/02と同09/06にその検討を行った。この2回の研究会では、守屋による書籍(『「ナル的表現」をめぐる通言語的研究―認知言語学と哲学を視野に入れて―』)の原案の提示を行い、研究協力者等と質疑応答・検討を行った。すなわち、本書の目標、各章の構成、各論文のタイトル・方向性・字数および書式等を具体的に検討し、書籍の全体像の共有を行って、これに基づいて各研究者に原稿執筆を依頼した。その後は個別に原稿内容や方針等に関する問題点の提示と検討を全体メールで続けながら。2月に全ての原稿を揃え、守屋および研究会の有志で編集作業を行い、出版社(ひつじ書房)に送付した。 次に、3月2日と3日に対面による研究会を開き、本研究の総括と今後の研究の方向性を検討し、具体的な計画をまとめた。総括として以下を指摘した。1.世界の言語研究における「ナル的表現」の記述的・認知言語学的研究の重要性。2.「ナル相当動詞」が「出来・存在・変化・コピュラ」に関わることに伴う言語的意味と哲学的概念双方の観点からの研究の必要性。3.「ナル相当動詞・ナル的表現」の用法から見た類型論的研究の可能性。4.「ナル的言語」は(S)OV言語であり、緩やかな主観的事態把握を有す傾向性。5.「ナル的表現」と「スル的表現」の相関性に関する研究の必要性。また、今後の研究の方向性として、以下を指摘した。1. 「ナル的表現」をめぐる調査の完成および全体像の記述。2.各言語における「出来・存在・変化」の言語的意味と哲学的概念の相関の確認。3.調査結果に基づく類型論的分析および事態把握との相関。4.「ナル的言語」における「スル的表現」の研究。5.「ナル的言語」以外の言語の類型論的特徴の見直し。 本研究は以上の研究を収めた。
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Research Products
(1 results)