2016 Fiscal Year Research-status Report
高分解能手指用MoCapによる指先の接触力推定手法の構築
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16K00226
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
藤原 克哉 秋田大学, 理工学研究科, 助教 (80333128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水戸部 一孝 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (60282159)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 接触センシング処理 / モーションキャプチャ / 人間情報学 |
Outline of Annual Research Achievements |
作業療法分野における巧緻動作検査では、様々な疾患の検査感度を向上させるために、作業中の手指の位置姿勢や接触力を測定し、巧緻動作そのものを評価する手法が求められている。そこで、空間分解能4μmの高精度な手指用MoCap装置を用いて巧緻動作検査における手指の位置姿勢を測定し、健常者および高次脳機能疾 患の症状別の分析を進めている。しかし、手指と対象物の間に圧力を計測するセンサーを挟む従来型の接触力測定法では、指先の繊細な感覚を阻害してしまい、直接触れる条件とは異質の作業となり、動作そのものに大きな 影響を及ぼす問題があった。本研究では、指と物体の間に何も挟まずに接触力を測る手法の構築を目的とする。そのために、指先と対象物の精確な位置がわかれば、接触力の変化による指先の歪みをその位置情報として計測できる予備実験結果に注目し、位置情報から接触力を推定するアルゴリズムの構築を目指す。 本年度は,高分解能の手指用MoCap装置を用いて.硬い平面に指を軽く接した場合と、強く押し付けた場合において、爪上に付けた位置センサの位置姿勢の変化を詳細に計測し,変化が明確に取得できることを複数の被験者により確認した.次に,もう一つの実験装置である力覚センサーと組み合わせることで,位置姿勢と接触力との対応関係から,接触力の推定アルゴリズムを構築していくが,ここでは2つの実験装置の計測値の同期が重要となるが,力覚センサーの反応速度等の特性が,この同期の精度に大きく影響することが確認された.このため,力覚センサーの仕様を再検討し,新たに特注仕様で力覚センサーを開発し完成させた.これにより予定していた実験に必要な装置が一通り整備できたため,今後は,並行して進めていたボクセル形式による3Dモデルの処理システムと組み合わせて実験を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に使用するオーダーメイドの力覚センサー装置について,専門家のアドバイスを受けて仕様変更を検討することになり,その仕様決定から製造,納品までに想定していたよりも時間を要した.このため,当初の予定よりもセンサーを用いる実験の開始が遅延した.なお,他の計測システムの構築を前倒しすることで,今後のスケジュールへの影響は軽減できたが,今年度の全体の進捗はやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
予定していた実験に必要な計測装置が一通り整備できたため,今後はこの計測装置を用いて硬い平面に指を接触させる実験の計測を進める.また,2年目に計画していたボクセル形式の3Dモデルの計算装置の整備も進め,データ量,処理時間などとのトレードオフについての検証も進める.
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Causes of Carryover |
実験データの量が自ら整理できる範囲であり外部に委託しなかったため,当初見込んでいた人件費・謝金の支出が発生しなかったことと,力覚センサーの購入価格が予定よりも低かったこと等が主な原因として,次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度で購入を計画していた計算機について,次年度使用額を追加することで,性能を一段階上げたものを導入できると考えている。計算性能の向上により,さらに高精細なデータによる実験が可能になると期待できる。
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Research Products
(1 results)