2016 Fiscal Year Research-status Report
限られた教師データを用いて衛星画像中の対象物を高精度に識別する半教師つき手法
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16K00244
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
喜安 千弥 長崎大学, 工学研究科, 教授 (20234388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 智弥 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (30345003)
薗田 光太郎 長崎大学, 工学研究科, 助教 (90415852)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 半教師つき分類 / リモートセンシング / マルチスペクトル画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
教師つきカテゴリー分類には十分な量のトレーニングデータが必要であるが,実際にはその条件を満たすことは難しい.半教師つきカテゴリー分類は,少数のトレーニングデータを用いて高い精度の分類をめざすものである.現在までに,クラスタリングに基づいてトレーニングデータの拡張を行った後,教師つき分類を行う方法を開発したが,トレーニングデータを拡張しても拡張を行わない場合よりも必ずしも分類性能がよくならない場合があるという問題があった.これは特徴空間上で分離が難しい複数のクラスにおいて,クラスタリングに基づくトレーニングデータの拡張をおこなうと,誤ったカテゴリーのデータに対して拡張されるために,適切な教師データが得られないことが原因と考えられる. そこで本研究では,初期トレーニングデータを用いて各カテゴリー間のクラス間距離を求め,他クラスとの距離が近いカテゴリーに対してはトレーニングデータの拡張を行わず,クラス間距離が近いカテゴリーが存在しなければトレーニングデータの拡張を行う手法を提案した. 提案手法の有効性を確認するため,クラス間距離が近いカテゴリーと遠いカテゴリーを抽出してそれぞれ実験をおこなったところ,教師つき分類と半教師つき分類をそれぞれ適用したときの,精度が高いほうとほぼ同等の結果が得られた.さらに,実際のマルチスペクトル画像を用いて実験をおこなったところ,提案手法は,一律に教師つき分類または半教師つき分類を適用したときよりも,高い分類精度が実現できることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「時空間情報を考慮したマルチスペクトル画像のクラスタリングに基づく教師データの拡張」に関しては,特に半教師つき手法で結果が改善しない場合に着目し,その解決方法としてクラス間距離を評価して,カテゴリーごとに教師データの拡張をおこなうかどうかを選択する方法を新たに開発した.この方法によって,半教師つき手法を一律に適用しても結果が改善しない場合があるという大きな問題を解決する手がかりが得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,前年度に開発した方法をさらに多くの実データに適用して効果を確認するとともに,方法の改善を図る.さらに,クラスタリングにもとづく手法以外の半教師つき分類法についても,分類精度がかえって低下することのない,実用的な方法を開発していく.
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Causes of Carryover |
当初,解析ソフトウェアENVIの購入を計画していたが,翌年度に最新版がリリースされてから購入したほうが研究に有効に活用できると判断し,平成28年度中は現有の旧版ソフトウェアを使用することとしたため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は,前年度に導入予定であった解析ソフトウェアについて,最新版がリリースされた後に購入する計画である.合わせて,ソフトウェアに必要なコンピュータやメモリ,ストレージなどの購入に使用する.
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Research Products
(4 results)