2017 Fiscal Year Research-status Report
高臨場感立体音響のための疎なスピーカ配置における超解像音場再現技術の研究
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16K00245
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
古家 賢一 大分大学, 理工学部, 教授 (10643611)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 音場再現 / 指向性制御 / インパルス応答補間 / スピーカアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、①空間的に疎なスピーカ配置で精度よく音場再現を行うための音場再現手法,および,②疎なスピーカ配置でも空間的な音響特性を精度よく推定するための音場補間手法,を検討した。 音場再現手法については,従来研究で音場再現誤差が大きくなるのは音場を再現する指向性スピーカアレイのフィルタ計算式の正則化パラメータを設定に問題があると考察し,本研究では、所望の音場を再現するスピーカアレイのフィルタの計算式の正則化パラメータをL カーブ法より求めた最適値を用いた手法を提案した。提案法の有効性を確かめるために、スピーカ配置、壁の反射係数を変えた条件でシミュレーション実験を行った。実験の結果、スピーカを壁に寄せると反射波に偏りが生まれ誤差が大きくなり、スピーカを中央に寄せることで反射波の偏りが少なくなり誤差が小さくなった。壁の反射係数を高く設定した場合反射波の減衰が少なくなり音場再現の精度が向上した。また、スピーカのフィルタ計算の逆行列の正則化パラメータをL-カーブ法により最適な値を選択することで誤差が小さくなることが確認できた 音場補間手法については,従来研究では空間的なインパルス応答の補間に対しては誤差が大きいことが問題であったため,本研究では、部屋の様々な箇所の特性をインパルス応答測定法で測定する際に,インパルス応答の音響モデルを球面波と平面波の重み付き線形結合でモデル化し,最小二乗法によるパラメータ推定によって補間を行う方法を提案した。モデルの妥当性検証のためミュレーション実験を行い,補間精度は評価尺度スペクトル距離(SD) と信号対歪比(SDR) で確認した。シミュレーション実験の結果から球面波と平面波のモデル式が妥当であることが確認できた。提案法はSDR では従来法より補間精度が劣化したが,SDでは従来法より補間精度が向上したことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
音場補間手法について,補間したインパルス応答の精度がまだ十分得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今回は周波数領域での補間を行ったが,時間領域,球面関数領域,端数領域などにおいての補間を検討し補間精度を上げていく。
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Causes of Carryover |
音場特性補間手法の検討が遅れ,理論検討,シミュレーション実験に時間をかけたために,実環境での実験準備が遅れたため。
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Research Products
(5 results)