2016 Fiscal Year Research-status Report
肩乗り型ロボットを利用した同方向型遠隔作業指導支援法の研究
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16K00273
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
篠沢 一彦 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80395160)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CSCW / 肩乗り型ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
装着型ロボット端末としてTEROOS を改良し、遠隔支援者のロボットの操作と装着者や周囲の人との対話を同時に記録するシステムを開発した。遠隔支援者と作業者の映像通話はSkypeを利用し、装着型ロボットの遠隔操作は、ファイヤウォールを超えた遠隔からの制御が可能なように、Webブラウザ上でコントロールできるようシステムを構築した。対話記録とSkypeの競合を回避するため、gstreamerを用いた分配機構を導入した。操作記録は、装着型ロボット内のWebサーバでファイルに保存することで、映像と操作記録に重要な同一時刻の確保を実現した。さらに、大学内に作業実験室と遠隔操作室を構築し、実験作業室に安価な 3D センサ(Kinect v2)を用いて、ロボット装着者や周囲の人の位置と向きを推定する位置向き推定ベースシステムを構築した。作業は立った状態を想定し、床面から850から1800mmの点群で各点間の距離が100mm以内であるものを人の点群の塊とし、その点群の分散共分散行列の小さな固有値に対応する固有ベクトルを体の前後方向の直線(体傾直線)の方向ベクトルとした。体の正面方向(体の向き)は、求めた体傾直線と、正面方向が急激に変わらないこととあらかじめ体の向きを決めた領域から計測を始めることを制約にし、推定を行った。決められた開始地点から、自由に移動し、指示された向きを向く実験を、大学生6名で行い、8方向の適合率が94.7%であることを確認した。 構築した遠隔支援システムをつかい、大学生が遠隔支援者となり、中学生6名を対象に電子工作支援の予備実験を行なった。遠隔対話システムに音声の障害(ハウリング)が多数発生し、遠隔支援者と装着者間の環境理解時の対話分析に用いるデータが十分でないが、遠隔支援者が行う説明とロボット操作の両立には、ロボット操作の簡便化が必要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験の失敗により、遠隔支援者と装着者間の環境理解時の対話分析に用いる十分なデータを取ることができていないため、年度中に計画していた研究発表などが行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
大学内でのシステムのトラブルを潰す稼働実験を増やすとともに、また、予備実験で明らかになった遠隔操作の煩雑さを解消する改良を行う、有効な実験データが効率的に取得できるよう調整を進める。
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Causes of Carryover |
予備実験で発生した障害に対応するために機材購入を行ったため、予算配分に修正が必要となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験被験者の謝金などに合算して、使用する予定。
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