2017 Fiscal Year Research-status Report
身体的アバタを介した自己参照によるコミュニケーション支援システム
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16K00278
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
石井 裕 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (30372642)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 身体的インタラクション / アバタコミュニケーション / コミュニケーション支援 / ヒューマンインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請は,対話者自身の身体的アバタを介して,対話者に積極的な発話を促すシステム開発を行うもので,今年度は,自己参照キャラクタシステムとして,タイピング入力情報を利用してキャラクタの身体動作を自動生成するタイピング駆動型身体引き込みキャラクタチャットシステムInterChatを検討した.まず自動生成される身体的引き込み動作を編集可能性,および時間構造といった特徴に着目してより効果的に受信者に提示するために,テキスト入力状態と身体的引き込み動作を同期表示することで,テキスト情報とキャラクタ動作を同時に観察できるシステムを新たに開発し,2つのコミュニケーション実験を行った.その結果,中点(・)表示において,入力中の状態は中点表示と同様に相手の入力メッセージが中点に変換されて表示され,さらにメッセージ確定時に確定部分のみが中点からテキスト表示に切り替わる中点逐次確定表示手法が高く評価された. また,テキストの表示とテキストに対応したキャラクタ動作の表示時間の差を縮め,情動表現を即時表示する「確定時動作」,「入力時動作」の2つの表示手法を新たに開発した.2つの表示手法と従来の手法との3つの手法を用いた評価実験において,入力の度に文章の認識を行い,動作を表示する入力時動作手法が高く評価された.また,タイピング入力とテキストあるいは情動表現を含む身体動作の提示タイミングについて分析評価を行った結果,より早くテキストと身体動作を表示できる手法が好まれる結果が確認された. これらの研究成果は論文2件にまとめ,ヒューマンインタフェース学会論文誌に掲載された(服部 憲治,他:タイピング駆動型身体引き込みキャラクタチャットシステムにおけるテキストの実時間入力状態表示手法,服部 憲治,他:タイピング駆動型身体引き込みキャラクタチャットシステムにおけるテキストおよび情動表現同期表示).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自己参照アバタを介して仮想空間内での自己と相手アバタが同時に存在する3 人称視点を活用するシステムとして,相互のインタラクションをリアルタイムで観察できる看護コミュニケーション教育支援システムについて,より効果的に支援する新たな機能としてリフレクション機能を開発している.看護コミュニケーション教育の一環である模擬患者参加型コミュニケーション演習後にアンケート調査を実施し,システムの有効性を示すなど,新たな効果が確認されており,概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
自己参照アバタを介して,講演者の視線に応じて観客キャラクタが積極的に傾聴し,コミュニケーション効果を高めるシステム開発を進めており,また音声駆動型身体引き込みキャラクタによる対話エージェントの開発によって,会話意欲を促進する効果を検討する.
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Causes of Carryover |
今年度実施した実験の一部で謝金が発生しなかったため,次年度実施分と併せて使用を計画している.
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