2019 Fiscal Year Research-status Report
超高精細映像視聴時における立体認知メカニズムの探究
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16K00280
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
石尾 広武 福山市立大学, 都市経営学部, 教授 (40271035)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 超高精細映像 / 立体感 / 生理反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の4Kや8Kと呼ばれる超高精細映像に関する技術の進歩は目覚ましく、今後は、一般家庭や社会生活の中で、超高精細大型映像の利用がますます促進されることが見込まれる。そのような映像を視聴した時、映し出された対象物に対して、我々は立体感を覚えることが多い。その時の立体認知メカニズムを、主に視機能の解析により明らかにすることが本研究の目的である。 この基礎研究によって、生体への影響が少なく、より安全で自然な超高精細映像を視聴者に提示するための技術開発につながるものと期待できる。 前年度及び前々年度に引き続き、今年度には、研究の第二段階として、視機能の客観的評価を行うために必要な測定機器の一つとして、映像刺激に対する疲労度を計測する機器を追加で導入した。さらに、研究の第三段階として、前年度のデータ解析ソフトに加えて、データ処理に必要な高性能パソコンを導入した。これにより、4Kや8K映像の制作も容易になり、実験及びデータ解析のための環境整備が進んだ。 これに並行して、研究の第一段階として行った、映像比較の実験結果についても、詳しい解析を進めた。この実験は、超高画質と超低画質の映像を交互に4Kの大型液晶ディスプレイに表示して、それらを100人を超える実験参加者に視聴させる、というものであった。その成果の一部については、2019年4月にイギリスのオックスフォード大学で開かれた国際会議において、口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
客観的評価に関連して、これまでに、視機能を計測する測定機器に加えて、それを補助するために、映像刺激環境下での視機能以外の生理量を計測する測定機器を導入してきた。更に今回は、映像刺激に対する疲労度を計測する機器を追加で導入したが、おおむね研究計画書に記載の通りに進展しているから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、研究計画書に記載の通りに、本研究を推進していく。そのために、限られた予算を有効に使いながら、導入した測定機器を使った計測や結果の解析を行うとともに、研究成果の発表も順次行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に使用を予定していた計測装置を変更したために、次年度使用額が生じた。この次年度使用額は、翌年度分として請求した助成金と合わせて、得られた研究成果の発表のために使用する計画である。
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