2017 Fiscal Year Research-status Report
ドライバの無意識下の脳活動と注意力との関係に基く安全な自動運転システムの開発
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16K00281
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊東 敏夫 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (70707695)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自動運転 / テイクオーバー / 覚醒度 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究は,昨年度製作したドライビングシミュレータを利用して実験を行った.まず現時点で自動運転車に実装されているドライバへの負荷タスク1種類と,今後覚醒度維持等の目的で実装が期待されるタスク2種類の合計3種類について調査を行った.次に,それらとは異なるアプローチでドライバの覚醒度維持を図る新たなタスクを2種類考案した.そして,これらの5種類のタスクを再現したドライビングシミュレータで一般ドライバ16人を対象に実験を行い,覚醒度維持効果の比較を行った. 調査を行ったタスクは,自動運転中のドライバの覚醒維持を目的とした常に一定の刺激を与えるタイプの負荷タスク3種類と,新たな手法として,車両周辺情報を呈示するものと光刺激を用いるものの2種類のタスクについて実験した.これらの5種類の負荷タスクと何もしない条件を合わせた6種類の環境について,一般ドライバ16名を対象に,ドライビングシミュレータの自動運転機能を用いた実験を行い,覚醒維持効果を比較した.その結果,何もしない条件では12名中10名が入眠したものの,各負荷タスクを行うことでその人数を減らすことが可能となった.また,ステアリングの把持が一定の覚醒作用を持つこと,音声刺激は内容だけでなく声自体への慣れの考慮が必要であること,光刺激はドライバが気づかない範囲で覚醒支援を行える可能性があることなどが明らかとなった.さらに,ドライバの覚醒にはドライバの年齢層が大きくかかわる可能性があることが示唆された.次年度は,今年度の結果を踏まえての刺激の内容や呈示位置の再検討,装置使用時の眼球の動きや呼吸の変化の検出,実際の道路環境での実験および結果の比較などがある.特に高齢者についてのN増実験を行いたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の前提では,年齢による覚醒度維持効果は少ないと考えていたが,高齢者については全体的に効果が低い傾向がみられた.そのため,次年度は高齢者向けの対策を厚く検討する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に実施する研究内容は以下の通りである。 ①ドライビングシミュレータによる注意力低下防止タスクの効果検証 ②模擬実験車による注意力低下防止タスクの効果検証 平成30年度に予定している研究では,平成29年度に検討した注意力低下防止タスクの効果検証を,ドライビングシミュレータと模擬実験車それぞれ被験者で行い,注意力低下防止タスクの効果検証を行う.①のドライビングシミュレータによる注意力低下防止タスクの効果検証では,ドライビングシミュレータの被験者が各種タスクを実行したときの注意力変化を計測し、効果を検証する. ②の模擬実験車による注意力低下防止タスクの効果検証では,模擬実験車の被験者が各種タスクを実行したときの注意力変化を計測し効果を検証する.上記効果検証とも,高齢者の被験者について厚く検討する.
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Causes of Carryover |
人材派遣会社に依頼した実験被験者の実験時間計算分で生じた余りとなります。
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Research Products
(3 results)