2020 Fiscal Year Research-status Report
物理的なメタファーによる複数のモバイルデバイスの連携を利用したコンテンツデザイン
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16K00283
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| Research Institution | Tokyo University of Technology |
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Principal Investigator |
太田 高志 東京工科大学, メディア学部, 教授 (30386768)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | マルチデバイス / インタラクションデザイン / ユーザーインターフェース / モバイルデバイス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究は、複数のモバイルデバイスの連携利用方法とインターフェースのデザインを提案するもののなかで、手元のスマートフォンを他のデバイスに向けるだけで、そのカメラ視点からの映像を自分のカメラで撮影しているように利用できるものについて開発を進めた。
自身のカメラと他のカメラによる映像をカメラを周囲に向けて見廻すだけで、接続先の選択操作無しに映像が切り替わり撮影することができるようにするため、他のカメラを捉えたことの判定を行う必要がある。また、手元の角度に合わせて表示映像が変わるようにするための仕組みが、撮影行為の連続性を実現するためには必要である。本研究では対象のカメラを捉えたことを画像処理で行うのではなく、手元のカメラを向けている方角と、対象のカメラとの位置関係から得られる方角の一致によってそれを実現する。
位置については、これまで事前に設定していたが、GPSを利用してリアルタイムに位置情報を取得することとした。また、カメラの向きと映像の一致については、対象のカメラデバイスとして360度カメラを利用することによって接続後に手元のカメラの向きに合わせて映像も変化させることにした。個々の機能がシステム的に可能であることを前年度に確認したが、今年度は統合的なプロトタイプとして実装し、動作検証を行った。これまで接続対象のデバイスとしてスマートフォンを利用していたため、手元のカメラの向きと連動しないことがユーザーの違和感やストレスとなっていたが、それについて解消することができた。また、現状での技術的な課題の認識や、UXのデザイン面の検討を行うことができた。
ここまでの実現と検証については、国際学会への論文として発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作業項目として挙げていた、プロトタイプ実装の統合・修正と、昨年度実施することができなかった広域での動作検証を行うことができたため、今年度の目標としていた研究内容はほぼ達成できたと考える。
接続対象として360°カメラを利用し、GPSを利用して位置情報を取得するプロトタイプを作成した。他のデバイスに向けることによって接続が確立し、そのカメラ映像が取得され、撮影ができるなどの基本的な機能について検証を行い、計画通りに動作することが確認できた。360度カメラを利用することによって、接続後に手元のカメラの向きに合わせて映像も変化させることを実現した。これまで接続対象のデバイスとしてスマートフォンを利用していたため、手元のカメラの向きと連動しないことがユーザーの違和感やストレスとなっていたが、それについて解消することができた。ただし、360°映像の一部を切り出すことで機能を実現しているため、解像度が低くなるという欠点がある。GPSによる位置の特定については、ここで想定している距離（数十メートル）の範囲内では精度が十分では無いことがわかった。また、GPSであるため、室内での利用にも適さないなどの欠点がある。位置があっているときには想定通りの反応が実現できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
接続先のデバイス特定手段として、複数の位置の取得手法や画像認識による方法の比較を考察する。手元のカメラの方向に映像を合わせるためには、360°カメラの利用ではなく、接続先のカメラの向きをステッピングモーターなどで物理的に動かすという手段も考えられる。そうした他のアプローチ利用との利点・欠点の比較検討をまとめる。同時に複数のユーザーが使用するためのサーバーの設計や、その他に、細かなインターフェース上の修正や工夫が完成度を高めるための項目をまとめ、個々の技術要素のテストを行う。
また、これまで、主に自然なデバイス連携のインターフェースという観点で研究を位置づけていたが、自身の位置からの視点に他のカメラからの視点が折り重なったものが、現実を拡張した撮影対象としての景観となることを主旨として研究をまとめる。最後に研究期間全体のまとめとして「環境と一体化するデジタル機能の在り方」の概念のなかに本課題で行った二つの研究を位置づける。
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| Causes of Carryover |
コロナの影響で実験の実施や学会の参加など予定通り進めることが困難であった。特に学会は現地での開催がキャンセルされ航空運賃や宿泊費の使用が無くなったため次年度使用額が生じた。
令和３年度は、研究機材として、位置測定の別の手法を試すための必要なセンサーが内蔵されたスマートフォンと位置測定のデバイス（Android、iOSデバイス、AirTag）を購入したい。学会の現地開催がされればその費用に使用する。
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