2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K00284
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷中 一寿 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (30298278)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インテグラルフォトグラフィ / 立体画像表示 / ミクストリアリティ / フライアイレンズ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)28インチ大画面液晶ディスプレイと大画面フライアイレンズを用いたインテグラルフォトグラフィ(IP)を製作した。当初計画では、直交レンチキュラー方式の2枚のレンチキュラーレンズの間に、水やゲル状部質を挟んで焦点距離を長くし、飛び出し量を増やす計画であった。しかしながら、スクリーン印刷を用いてフライアイレンズを形成すれば、大型化できるだけでなく、インクの厚みを変えることでレンズの厚みを変えられ、飛び出し量を変えられることがわかったため、方向転換した。 (2)ゲームエンジンであるUnityのシェーダーを用いて、コンピューター・グラフィックス(CG)でIP方式の立体表示を行うにのに必要な多視点レンダリングと、それに続くIP画像合成を、実時間で行う方式を確立した。少ないポリゴン数で作られたユニティちゃんがバーチャルな秋葉原の街をキーボード操作で散歩するシステムを開発し、3~20fpsのフレームレートが得られた。 (3)IPを用いたホログラフィックピラミッドでは、ピラミッドの中心付近に表示される物体に奥行き方向に厚みをもたせ、かつアニメーションさせることは平成28年度にできていたが、プリレンダリングされたムービーを用いていた。平成29年度には、Unityのシェーダーを用いることで実時間レンダリングが可能になり、ピラミッドの4つの面に異なる方向から見たキャラクタをアニメーション表示させた場合でも、約4fpsのフレームレートが得られた。 (4)そのほか2つの派生的な成果が得られた。1つは、前年度に発表した4プレーンDFDを、静止画からアニメーションに拡張したことである。もう1つは、ブラウザに表示されたGoogle EarthからPyAutoGUIで多視点画像を自動取得してオフラインで処理することで、他の手段では困難な大型建造物や山岳等のIP表示を可能にしたことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年4月に立案した当初の研究計画では、平成29年度は、(1)「直交レンチキュラー方式の飛び出し量の増加」(2)「ゲームエンジンを用いた立体視コンテンツ制作法の確立」 を行うことになっていた。 (1)については、上記「研究実績の概要」で述べたように、スクリーン印刷を用いて製造されたフライアイレンズを用いる方向に転換し、その結果、28インチ大画面IPを実現できた。 (2)については、上記「研究実績の概要」で述べたように、少ないポリゴン数で作られたユニティちゃんがバーチャルな秋葉原の街をキーボード操作で散歩するシステムと、IPを用いて作られたホログラフィックピラミッドの4つの面にその方向から見たユニティちゃんのアニメーションが表示され、ユーザーのキーボード操作でユニティちゃんを回転させられるシステムを開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年4月に立案した当初の研究計画では、平成30年度は、(1)「ビデオシースルーに向けた実写IP画像の入力」、(2)「裸眼ミクストリアリティシステムの構築」を行う予定になっている。このうち(1)については、透明多面体を用いる方式が考えられるが、精密な微細加工が必要なため、その製造が困難であることが予測される。よって、平成30年度はシミュレーションによる検討のみにするか、または別なアプローチを検討するなどの可能性がある。(2)については 一部、平成29年度に前倒しで製作してきたが、平成30年度は、裸眼ミクストリアリティと呼ぶにふさわしいシステムに仕上げ、学会等でデモを行いたいと考えている。なお研究の進展に伴い、想定外の新たな研究課題が見えてくることがあるので、それについても臨機応変に取り組みたい。
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Causes of Carryover |
投稿していた国際会議に採択されなかったため、その旅費と参加費が執行できなかった。今年度は最終年度であるので、残された研究項目を遂行するとともに、学会発表についても、今まで以上に積極的に取り組みたいと考えている。
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