2016 Fiscal Year Research-status Report
傾聴エージェントのためのマルチモーダル情報を利用した応答モデルの研究
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16K00289
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
黄 宏軒 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (00572950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 勇吾 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (60437085)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 会話エージェント / 高齢者支援 / 対話システム / 感情モデル / マルチモーダルインタラクション / 傾聴 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は本提案プロジェクトに先立ってH25年度に実施した傾聴会話実験で収集したデータコーパスを分析し,話し手の会話参加態度の自動推定手法の開発を継続的に行っている.この実験では実験参加者同士による傾聴会話において,参加者たちが自分と相手の実験中の会話参加態度について実験直後に1から7までの7段階評価を行った. これは評価者の主観によるものだったため,評価者ごとにZスコアで正規化をしたうえで教師あり学習の目的変数とした.参加者態度の予測に用いる説明変数については,今年度は発話ターンと韻律情報(インテンシティ,ピッチ,話速)の利用を検討した.回帰モデルを構築し,絶対平均誤差(MAE)0.10の推定精度を得た. この実験とその結果の分析,予備的に検討した推定モデルでの成果をまとめた論文がヒューマンインターフェース学会論文誌の特集号「感性と感情 -計測・評価・モデル化とその応用-」に掲載された.また,本研究で開発したプログラムなどを他に行っているコミュニケーション分析関係のプロジェクトに活用しており,それらについても国内外の会議で発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の目標は傾聴会話においての話し手の参加態度の自動推定モデルの開発であった.成果としては,以前から研究を行っている話し手の表情(笑顔),頭部運動(頷き)といった非言語行動と発話ターン情報(発話量・沈黙)を説明変数としての利用を予備的に検討した分類モデルと新たに発話の韻律情報を利用した回帰モデルに分かれてしまっているが,容易に統合できると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
最初にH28年度でできなかった話し手の非言語行動,発話ターン情報,韻律情報を統合した参加態度推定モデルを構築する.これと同時に,H29に予定していた傾聴エージェントの中核である会話コンポーネントの開発に取り組む.会話コンポーネントの開発においては,まず,高齢者を利用者と想定した場合の話題の選定と話題遷移モデルの構築する.次に,この話題モデルと参加者態度を考慮した会話コンポーネントの開発を予定している.
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Causes of Carryover |
研究の遅れにより予定していた学会発表ができなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に繰り越す基金40万円分と本来予定している直接経費100万円と合わせてH29年度には140万円の予算となる.その使途は以下のように予定している.国際会議IVA 2017(スウェーデン, 35万円×1人計35万円),国際会議HAI 2017(ドイツ, 35万円×2人計70万円),人工知能学会全国大会(名古屋,6万円×3人計18万円)の参加費・旅費,そひて,会話実験参加者の謝礼金(2千円×25人計5万円)とデータアノテーションの費用(3万円×4人計12万円)に充てる.
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Research Products
(9 results)