2016 Fiscal Year Research-status Report
推論・学習機能を備えた実験候補推薦システムの研究開発
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16K00304
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
越村 三幸 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (30274492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
力 規晃 徳山工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (50290804)
藤田 博 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (70284552)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | データマイニング / 顕微鏡画像の解析 / 帰納論理プログラミング / SAT符号化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(A)データマイニング手法を適用する具体的なデータの選定、(B)帰納論理プログラミング(ILP)ツールの開発を行い、2件の解説記事の公表、4件の学会発表を行なった.. (A)については、幾つかの候補の中から「尿の顕微鏡画像の解析」を選定した.これは、画像解析による尿中有形成分(赤血球、白血球、尿細管上皮細胞など)の分類・計数を行うもので、データは病院の検査で実際に採取されたものを用いる.実際の分析装置に組み込める性能を目指して解析を進めていく. (B)については、ILPのMaxSAT符号化を例に研究を進めた.データログと呼ばれるILPの部分クラスを符号化の対象とし、ILPシステムで広く利用されている探索法の符号化を目指している.前処理で最弱仮説の生成を行い、候補仮説内探索をMaxSAT符号化した.正例はソフト節、負例はハード節に符号化される.一回のMaxSAT呼び出しで一つのルールが生成され、全ての正例を被覆するまでMaxSAT呼び出しが繰り返される.試作システムがほぼ完成し、化学実験データの解析を例にシステムの調整をしている段階である. 研究代表者が継続的に開発しているMaxSATソルバーQMaxSATの性能評価のため、ソルバー評価会(MaxSAT 2016)に出品し、PMS(crafted)部門で9位、PMS(industrial)部門で10位、WPMS(crafted)部門で5位、WPMS(industrial)部門で9位の成績を納めた.いずれの部門も参加システムは18~19システムであった. 定期的な研究活動については、力研究分担者と、1~2ヶ月に1回程度、九州大学あるいは徳山高専において、成果発表・研究交流・情報交換を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データマイニング手法の適用データとして当初は化学実験データを予定していたが、協力を仰いでいた化学専門家の状況の変化に伴い、データの見直しを行った.データの選定及び法令上の諸条件の確認に時間を要したため、(A)については、若干の遅れが生じた. (B)については、概ね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
(A)のデータマイニング手法としては深層学習を利用する予定で、顕微鏡画像以外のデータ解析も選定中である.(B)については、試作システムを用いて評価を行い、論文化を行っていく予定.
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Causes of Carryover |
解析データの新たな選定に伴い、研究の一部の進展に若干の遅れが生じたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ解析のために新たに計算機システムを導入する.また、データ整理のための人員(学生)を増強する.
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