2017 Fiscal Year Research-status Report
筆すべりにロバストなデジタルインクのスプラインベースド超圧縮法に関する研究
Project/Area Number |
16K00315
|
Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤岡 寛之 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (10349798)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狩野 弘之 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00246654)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | データ圧縮 / スプラインベースドアプローチ / デジタルインク / スパースコーディング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者がこれまでに取り組んできたスプライン関数の理論と応用に関する発展として位置づけ、いわゆるスプラインベースドアプローチに基づくタブレットPC等の電子機器上での筆記を表現するために使われるデジタルインクのデータ圧縮法を確立する、ことを目的としている。平成29年度は、主にスパースコーディングと辞書学習に基づく超圧縮法の開発に関連する課題に取り組んだ。特に、前年度のLASSOと呼ばれるL1正則化を用いたデータ超圧縮についての研究から着想に至ったコンパクトスプラインの設計法の研究を行った。Bスプラインを基底関数として用いた曲線を生成する際、Bスプラインの重み係数である制御点の系列は曲線の輪郭を表す。すなわち、曲線の設計問題は、制御点の系列の設計問題として捉えることができ、ゆえにその曲線の形状の操作についても制御点に対する操作として定義づけできる。ただ、その操作性は制御点の個数に依存する。例えば、制御点の個数が少なければ曲線を大域的に修正しやすいであろうし、逆に、その個数が多ければ局所的に修正しやすい。そこで、スプライン曲線の形状を広義的に修正できるよう、基のスプライン曲線の形状は変化させず支配的な制御点のみで表すことができるコンパクトBスプラインの設計方法を開発した。その方法では、支配的な制御点を探索することが主なタスクとなるが、動的計画法を用いることで指定個数の制御点を高速で探索できる。さらに、そのような探索された制御多角点からNURBS(Non Uniform Rational B-Spline)により精度よく近似できる方法を非線形計画問題として定義し、その有用性を数値実験により検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間に取り組む課題は(A) 統計学的見地からの筆滑りの現象解明、(B) 筆滑りにロバストなデジタルインク圧縮法の開発、(C) スパースコーディングと辞書学習に基づく超圧縮法の開発である。本年度においては、課題(B)と課題(C)についてはおおよその見通しがたち、研究内容の進展、および国際会議発表などによる成果の公表は順調なペースで進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の申請した計画に沿って、(B)の研究についても現在の成果をもとに発展させつつ、課題(C)については予備的な研究成果をもとに発展させる。現段階では研究遂行上での変更の必要性や問題点は特にない。
|
Causes of Carryover |
(理由)当該年度の所要額のうち次年度使用額441,747円は当初の実験システム用PCの購入費用として充てる予定であったが、緊急性がなく次年度予算と合わせ実験システム用PCの購入費用として使用するのが有効と判断した。 (使用計画)次年度使用額441,747円は、次年度の実験システム用PCの購入費用として使用することを計画する。
|
Research Products
(7 results)